明治大学理工学部機械工学科 中退。
大学在学中にニュージーランドに留学、帰国後にニュージランドのワークビザ（通訳）を取得して観光業に2年間従事。
結婚を機に日本に帰国、北海道札幌でマイクロフィルム関係の会社で営業として10年間従事。
その後、WEB制作会社でVRの新規事業を立ち上げ、2020年に独立。
北海道大学など4つの大学でVRの研究開発を行い、医療分野を中心に新しい技術継承の方法としてVRの普及につとめる。
略歴
現在の仕事についた経緯
昔は今と違いアナログ関連の仕事をしていましたが、その中で必死に新しいことができないか試行錯誤をしていました。
担当は主に北海道の地方自治体への営業でしたが、過疎化などで元気がない街が多く、多くの人が今までの仕事のやり方に慣れてしまい街の発展をあきらめ、その結果多くの若い人が進学や就職と共に街から出ていって過疎化が進んでいく状況でした。ただし、街の中にはやる気のある若い人もいたので、何とかこの人達に街の発展となる機会を与えることが出来ないか考えていました。
その時にVRの技術と出会い、これを活用することで都会と地方を結び、地方から日本を変えていく貢献ができるのではないかと思い起業しました。
VRは今までの既存のコミュニケーションメディアと違い、その場の雰囲気などをリアルに伝えることが出来ます。私が一番最初に見たVRは、氷河のクレパスを見る動画でしたが、見た瞬間「あ、これ落ちたら死ぬ」という今まで体験したことがないリアルな恐怖感でした。
これはVRがコミュニケーションとして、生の熱量、鮮度、臨場感を伝える事ができる新しいデバイスになりうるもので、技術継承からプロモーション、交流など地方が抱える課題を解決できる救世主になるのではないかと考えています。
仕事へのこだわり
周りから絶対無理と言われたり、前例の無い方法でも情熱があれば人が動いてくれて、奇跡が起こることがあります。
これは自分が営業マン時代に徹底的に叩き込まれた方法で、頭で考えるよりもとにかく行動を起こすことを心がけています。ただ、海外に住んでいたこともあり、たまに日本の常識から外れた考え方をして、周りに迷惑を掛けたことも多々ありましたが、常に周りの人に助けられてここまで来たイメージがあるので、とにかく周りの人を感謝する気持ちを忘れないようにしています。
独立起業するにあたり、成功している先輩方にたくさん聞いて回りました。その時に頂いたアドバイス通りに動くと成功したことばかりだったので、自分の考えた道を進むことも大事ですが、先人のアドバイスは絶対聞いた方がいいと思います。
また、VRの開発では、システムだけではなくグラフィックや音楽、演出など様々な要素が必要になってきます。
すべて自社のみで制作すると技術的な偏りが生じて、コストと品質が合わないことが多いので、札幌を中心に海外の企業とも技術交流を行いながら開発しています。
そのため、開発のディレクションに特に気を使っています。お客様のニーズを満たすことはもちろんですが、開発側の方に一方的に要求を押し付けるとプロジェクトが長続きしません。また、仕様書をもとにこれをやるやらないで進めてしまうと、結果的に良いものができないこともあります。そのため常に目の前にある課題だけではなくその先の未来を想像しながら、コミュニケーションを取ることを徹底しています。
若者へのメッセージ
今は外に出なくても簡単に情報が手に入ります。
例えば有名な上場企業の社長さんなど成功者の話をネットで簡単に聞ける時代になり、若い世代の人もyoutubeなどでよく見ているかもしれません。
そして若い世代の人でこうした有名な人の話を聞いただけでやった気になったり、成功者の話を聞いて無理そうなことはやらないような風潮もあります。
しかしながら、話を聞いただけでやった気になるのと、実際に自分で動いて経験したものでは天と地ほどの差があります。
自分は海外で働いていた時に現地の日本人オーナーに言われて印象に残っている言葉があります。それは「テレビや写真で見るのと、現地（海外）に行くとでは全く体験が違う。そして、現地に旅行で行くのとそこに住んでみるとでは全く体験が違う」という言葉です。
そのオーナーは日本人で最初にエベレストの登頂に成功したグループの一員で世界中を旅した人でもあります。そして、現地の街で最初に会社の土日営業を許可された人で街の歴史も変えた人です。
その言葉には重みがあり、世の中の多くのものは自分で体験しないとわからないということです。特に海外で旅行に行ったときにはその国のいいとこばかりしか見えないですが、実際に住んでみると人種差別や貧困問題など悪い面も見えてきます。
さらに人との出会いは奇跡の連続です。実際に行動を起こすことで大切な人との出会いや、出会いを通じたたくさんの経験を積むことが来ます。
これらは家の中にいるだけでは体験できないことです。
ぜひやりたいことや夢がある人はとにかく行動を起こしてみましょう。今からでもできることがあります。やってみてください。きっと叶うはずです。