美容師という職業を志したのは、たまたま実家に帰省していた姉の「見た目がどんなに派手でも美容師ならできるんじゃない？」という一言がきっかけでした。
そこから実際に美容師として活動し始めるのですが、シャンプーやパーマなど、1つ1つの技術の向上、そしてお客様との繋がりが本当に楽しく、私はこの仕事にのめり込んでいきました。
起業する直前まで勤めていたのは、グループで約230店舗、トータル1,200人のスタッフを抱える美容サロングループです。
私は銀座店の店長を務め、なおかつ全店舗でトップクラスのスタイリストとして過去最高の売上を記録するなど、数々の実績を上げていました。
しかし、会社から常に数字を求められ、またそれを仲間達にも強要する日々を過ごす中で、いつしか「お客様の笑顔を繋ぐ」という美容師の本分からは遠ざかっていきました。
現状に対する不信感がピークに達したのは、社内で行われた表彰式のときです。
私が率いる銀座店は1位を獲得し、本来であれば拍手喝采で盛り上がってもいいところを、拍手はまばら、さらに仲間達は他のどの店舗よりも白けた様子なのを見て、私は何のためにここまで頑張ってきたんだろうと深く考えさせられました。
その後まもなくして、今まで十分輝かせて頂いた同社を後にし、今度は1人1人のお客様としっかり向き合えるサロン、ひいてはスタッフが笑顔で働ける環境を自分自身の手で作り上げたいと、弊社の設立に至りました。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
物事に取り組む上で、大切なことは3つあると思っています。
1つ目は素直さです。
片意地を張らない態度は、成長を最大化する要素の1つだと思います。
2つ目は人に対して、謙虚に感謝できることです。
仕事はどんなものでも自分1人では達成できません。そのことを重々意識した上で周囲を尊重し、また皆それぞれのバックボーンへの理解と共感に繋げています。
3つ目は、未来軸で考えることです。
1度起こってしまったことは、なかったことにはできません。よって、それをくよくよ悩むよりも、その後どうするかと前向きに対処していくことが重要だと捉えています。
今後の目標
今後は国内にとどまらず、海外へも活動を広げていきたいと考えています。
来年はタイ、カンボジア、ドバイ、オーストラリアへの進出を予定しており、仲間達といろいろな国を巡りながら、世界レベルで笑顔の数を増やしていきたい所存です。
そのように活動の幅を広げる上では、人材教育がより重要になってくると思います。人は誰しも素敵なものを持っていますし、それを生かすも殺すも教育次第だからです。
したがって、弊社では各個性を埋没させてしまうような細々としたルールは設けず、さらに1人1人の性格や資質に沿った教育方針を重視していきたいと考えています。
1人1人に向き合っていくことは、幹部陣にとっては労力のかかることですが、やはりそのようにしてでも人を育てていかなければ、日本の未来は変わらないと思うのです。
若者へのメッセージ
就職活動を目前に控えると「やりたいことはある？」と聞かれる機会が増えると思いますが、過去の私と同様に、やりたいことなんて浮かばないという人も多いでしょう。
ただ今はなくても、やりたいことがいつ思い浮かぶのか、そのタイミングは誰にもわかりません。
だからこそ、本当にやりたいと思うことが見つかったときにまっすぐ頑張れるように、また仲間達に助けてもらえる状況を作るために、今は素直さを大切にしながら自分の世界を広げることに注力してみてはどうでしょうか。
経営者を含めいろんな人に会ってみたり、ベンチャー企業に入ってみたり、海外に出たりすることで、少なくともヒントが得られますし、人とのご縁も繋がっていくと思います。
今やりたいことがないからといって決して不安にならず、広い世界へどんどんと羽ばたいていってください。