同志社大学法学部卒業。精密機械メーカに入社。産業機械の営業、開発企画に従事。大阪、京都、東京、滋賀、岡山、高松、他に勤務。多くの食品工場に、 自動計量機、包装機、検査装置、などの自動化・省力化機械を販売・納品。お客様の個別の課題に対して、新しい解決方法を発案して、 多くの特許を取得。2006年、関西生産性本部のKPCマネジメントスクールで「営業・マーケティングコース」を修了。その後、 中国、韓国でも自動化、省力化機械の販促活動に従事。第4回韓・ 中・日 計量測定協会SEMINARで、日本の一般企業を代表し て講演。2019年、株式会社日本ロボットクリエーションを起業。
略歴
現在の仕事についた経緯
精密機械メーカを定年退職したとき、ちょうど人生100年時代と言われ始め、自分のためにも、社会のためにも、まだまだ働けるし、働いたほうがよいと思いました。
37年間、主に食品工場に自動化省力化機械を販売してきて、これからの同業界はロボットの導入がキーポイントとなると思いましたが、ロボットメーカも経済産業省も食品業界へのロボット導入の推進に手こずっている現状がありました。
自動車関連や電気、機械業界への販売がルーツであるロボット業界の販売方法は、食品業界のそれとは、常識や感覚が大きく違い、食品メーカと合わないと思いました。そこに、食品メーカ相手に長年、機械導入の商売をしてきた私のノウハウが役に立つと思いました。
仕事へのこだわり
新卒で前職に入社したとき、当時、新入社員には、まずは人事からカーネギーの「人を動かす」という本が配られました。読んで感想文を提出したような気もしますが、そのときは、あまりインパクトもなく、ほとんど中身は残りませんでした。
その後、社会人生活、会社生活を通じて、日々いろいろな仕事をして、研修にも行かされたり、参加したりして、「仕事とは人を動かすことである」とわかったのは、何年も経ってからのことでした。愚か者の私には、随分長い時間がかかりました。
お客様に働きかけをしてお客様を動かす。上司に働きかけをして上司を動かす。仲間に働きかけをして仲間を動かす。部下に働きかけをして部下を動かす。方法や媒体はいろいろありますが、基本働きかけによって人が動くことで、世の中も経済も回っていることに気づきました。
私は、前職入社から定年までの37年間を、営業、企画、マーケティングなどのセクションで働きましたが、社内外の活動を通して、「できないこと」が多すぎると思いました。技術的な問題、力不足、規則やシステム、利益や時間、リスク、その他いろいろな問題が障害となっているのですが、障害を乗り越えて、あるいはそれ以上のメリットを創出して「できないことをできるようにするのが進歩である」と思います。
チャレンジとは、リスクのあることをするということです。どのようにすれば、リスクを少なくすることができるか、簡単に「できない」と言わずに、よく考えて、工夫をすることが重要と考えます。
いまひとつ、仕事はその客観的なパフォーマンスが重要なことは当然ですが、次工程やお客様にとっては、満足感というのが重要です。そのために、スピードと納得感というのを大切にして作業するようにしています。
若者へのメッセージ
まず、自分の人生は自分しか切り拓けないのです。この意識を持っている人はいいのですが、そうでない人は、自分の人生を制御するのは、他の誰でもないことを認識する必要があります。
日常的には、当たり前ですが、時間を守ること、約束を守ること、期限を守ること。絶対守ることが前提ですが、実際は諸般の事情でどうしても守れない場合も出てきます。そのときは、期限がくるまでに、連絡を入れて謝ること。当たり前のことなのですが、この当たり前のことができない人がたくさんいます。私もなかなかできませんでした。それでだいぶ損をしたと思っています。周りにはできる人がいて、関心しました。尊敬しました。小さなことですが、このことは、信頼を得るための前提です。
最後に、私としては、ロジカルな根性論というのを提唱したいです。根性論だけでは、ダメでしょうが、ピンチのときに、「気合だ!」とか「根性!」とか声に出して、あるいは心の中で叫ぶことは、決して無意味ではないと思います。
ものごとへの対処として、理屈と感情のバランスは重要です。私の尊敬する前職の会長は「そろばん勘定と人間感情」という言い方をしていました。まずは、「最後まで諦めるな。」と言わなくても良いように、先を読んで準備万端にしておくことが第一です。しかし、それでも予定どおりに行かなくて、「もうダメだ。」と思ってしまうようなときでも、「いまこそ根性だ!」と念じて、諦めずに考えて手を打てば、道は開けるものです。諦めてしまうとそこで終わりです。
最近はがんばることがあまり評価されない傾向もあったりしますが、苦しいときは、中島みゆきの歌でも歌って、もうひとがんばりするのもいいものです。悲しいときでも、無理やり笑えば、悲しさが薄らぐということも脳科学が立証しています。