文筆家。マーケター。フリーランス広報。多くのメディアで連載を執筆しながら大手・中小企業などの事業支援を行う。創価大学工学部卒業。2004年に新聞記者として社会人生活を出発。その後、IT企業2社や人材ビジネス最大手などでマーケティングや広報を担当し、2021年に独立後、現職。ブックライティングも手がけ、田中弦著『心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100』をはじめ、編集協力を担当した書籍多数。1981年、東京生まれ。
略歴
現在の仕事についた経緯
自身がかつて精神疾患にかかっていたこともあり、さまざまなマイノリティ、それこそ社会的弱者(そんな彼らを私は「社会で弱くさせられている人」と呼んでいます)の支援・応援活動に十数年前から関心を持つようになりました。
現在、私は人生のテーマを「弱くさせられている人の声を聴診器のように聴き、自身が拡声器となってその声を世に広める」に定めています。その取り組みにリソースを傾注したいと考えて、大手人材ビジネス会社を辞め、独立しました。
弱くさせられている人たちの声は大抵の場合、その人に寄り添って、隣人、「隣(とな)る人」となって耳を澄まさなければ聞こえてきません。声なき声に耳を傾けていきたいです。
仕事へのこだわり
プロフェッショナルとは何か?を常に考えてきました。新卒で新聞記者になりましたが、文章力をはじめとした「表現力」はもとより、インタビュー術、取材力といったスキルも磨きをかけてきました。
たとえば、有識者にヒアリングをする際には、その人が著作を何冊出していようとも(それこそ30冊、50冊と出していようとも)すべてに目を通して取材に臨みました。必要な前提知識があれば、それに関する入門書・専門書を偏りが出ないように学びました。
技芸の道には限界がないとの信念で、著作などを通じて先哲に“弟子入り”し、それを自らの技術として再現することをあまたと繰り返してきた自負があります。結果、読書冊数は15,000冊を超えるほどになりました。このスタイルはいまも変わりません。
「社会で弱くさせられている人」の声を聞くのにも、技術が要ります。相手から「この人になら、話したい」「話せるかも」と思ってもらえる「あいだがら」をつくるスキルです。それを追求するために、身近で困っている人をはじめ、精神疾患を持つ人、ドラッグ中毒者、全盲の方、路上生活者、セクシャルマイノリティの方、貧困家庭の方、独居老人の方などとコミュニケーションを重ねてきました。
比類なきレベルでそこに特化することが理想ですが、その理想を徹底的に追い、技を磨き続ける姿勢にプロフェッショナルが光ると私は考えています。平凡なことを非凡なほどやり続ける「非凡さ」の度合いでは、誰にも負けたくないという思いもあります。そんな自身の内発的な動機に忠実でありたい、自分に正直でありたいというのが私の望みです。
若者へのメッセージ
自分にやさしくできない人は他人にやさしくできないと私は考えています。まずは自分にやさしくあってほしいです。自らの可能性も否定しないでほしいです。たとえ人が「無理だよ」と言ったことでも、「そういう捉え方もあるよね」くらいの気持ちで受け止められるようになれたらとても豊かだと思います。
もちろんそれは「他人のアドバイスを聞かない」ということではありません。むしろ可能か不可能かも含め、できる限り多くの可能性に気づき、目配せができる、あるいは選べる進路・手段のレパートリーをなるべく多く携えて、それらをあえて判断保留にしておけるくらいの心の余白があると良いという話です。では、そのためにどうすればいいか?
私は、人と会い、本を読み、旅に出ることが一番だと思っています(これは実業家・出口治明氏の受け売りです)。特に、それまでの自分では会わない(会えない)人、読まない本、行かない場所に触れようと意識すると、あなたの心は広がっていくでしょう。
それが「自分を自分で許す」心の余裕を生みます。その余裕ができれば、自らの可能性を信じられる。挑戦もできる。人にもやさしくなれる。
若い時に特定の知識や信念に縛られ過ぎず、思い切り心を揺るがす体験をしてほしいです。