Aoyama Shiho

青山 志穂

一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事 https://saltcoordinator.jp/

略歴

慶應義塾大学卒。大手食品メーカーの商品開発を経て、沖縄へ移住後に塩と出合う。2012年独立。
現在は塩の正しい知識の啓蒙のため、講座やメディア出演等を通して情報を発信。保有する塩は2300種類以上、訪れた製塩所は延べ500箇所に上る。代表著書に「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など累計6万部を超える。

現在の仕事についた経緯

大手食品メーカー勤務時代に激務で体調を崩したため、静養も兼ねて沖縄県に移住しました。半年ほど経つと体調もすっかりよくなったため、就職活動をしていたところ、製塩および塩の専門店事業を行う企業と出合い、面白そうだったので面接を受けに行きました。
その会社で採用をいただき、塩の専門店事業拡大の責任者として、事業体制の整備、社内資格制度の設立などの人材教育、プロデュース、マネジメント、商品開発業務などを担わせていただきました。
事業拡大をしていく中で、塩の販売と並行して、正しい知識を啓蒙する重要性を認識し、会社の新規事業として講座の販売を提案しましたが、承諾を得られなかった為、独立起業して自分でやることにしました。

仕事へのこだわり

昔から一環して大切にしてきたのは、自分の意見をきちんと伝えることです。日本には「黙って耐え忍ぶ美徳」のようなものがあるように感じますが、ビジネスの場においては、なにか違和感を感じることや自分の意見があるのに、それを言葉として相手に伝えないことで、その仕事の結果がよりよくなるチャンスを失うことに繋がったりすると考えているからです。
もちろん、自分の意見を伝えて受け入れてもらうためには、それよりも先に「相手の意見をきちんと聞いて受け止める」「それまでの文化(空気)を尊重する」という姿勢も同時に欠かせないものだというのは、たくさんの失敗を経て気がつきました。20代前半の頃、自分の意見ばかり言っていた私に根気よくお付き合いいただいた諸先輩方やお取引先の皆様には頭があがりません。

30代半ばに独立起業してから大切にしているのは、「とりあえずやってみる」ということです。元々完璧主義者なところがあるので、なぜそれをやらないといけないのか納得するまでは手が動かせないタイプでした。しかし、それだとスピードがあまりにも遅いし、起きてもいないリスクばかりが思い浮かんできて、余計に手が動かせなくなったりします。そんなことをしているうちにチャンスの神様は遙か遠くに行ってしまいます。
そのため、「いいな」と直感的に思って、長くても半日それについて調べたり考えたりしたら、やる・やらないを早めに決めるようにしています。大きな決断の前に熟考する時間を持つことはもちろん非常に重要ですが、考えているだけの時間は他人から見たら何もしていないのと一緒であり、その時間が長すぎるのは、ビジネスにとっては逆効果だと考えています。

若者へのメッセージ

私を含めほとんどの人は、人生の半分以上を仕事をしながら過ごすことになります。長時間を費やすことが辛かったり、楽しくなかったり、興味を持てなかったりすると、それはつまり人生の半分以上が楽しくないということになります。ですので、仕事に対して「楽しい」「好きだ」という気持ちを持てるかどうかは人生においてとても重要です。どんな仕事でも必ず誰かの役に立っていて、楽しいと思えるポイントや達成感を感じられる瞬間があるので、それを見過ごさず大切に感じられるかどうかは、日々を幸せに生きるためにとても重要だと思います。
また、終身雇用の時代は大きくかつスピーディーに変わり、今やキャリアを積んでステップアップしたり、副業をしたり、起業することが当たり前になってきました。何度失敗しても自分さえその気ならやり直すチャンスがたくさんありますし、「豊かさ」の価値観も多様化しています。古い価値観に囚われず、「自分がどうなりたいか」「自分にとっての幸せな状態とはどういうことか」をしっかりと考え、目標を据えて、それを実現するために必要なことを日々実行してほしいと思います。