Fukutani Naoto

福谷直人

株式会社バックテック 代表取締役 https://www.backtech.co.jp/

略歴

藤田医科大学を卒業後、臨床業務に従事しながら修士課程を修了。京都大学大学院医学研究科にて博士号を取得後、株式会社バックテックを創業し代表取締役に就任。
セラピストが一般企業に勤める勤労者の健康サポートを行うプラットフォーム“ポケットセラピスト”を開発・運営し、産業医・産業保健職、企業人事部、健康保険組合等と連携をとりながらセラピストの職域拡大を進めている。同時に、京都大学大学院医学研究科及び産業医科大学産業生態科学研究所産業保健経営学の研究員としても従事しており、事業の成果を国際論文として公表しデジタルヘルス領域のエビデンスを構築している。
また、会社はサイバーエージェント・キャピタル、JR東日本スタートアップ・エムスリーなどから総額数億円の資金調達を実施しており、セラピスト業界そしてヘルスケア市場の社会変革に挑んでいる。

現在の仕事についた経緯

まず理学療法士という医療職になったのは、自身がスポーツなどで怪我を経験し、リハビリテーションを受けたことがきっかけです。その後、博士号を取得し、教授の道を目指そうとしましたが、社会課題を解決できているという感覚がなく、京都大学の起業家育成プログラムに参加しました。
Harvard Innovation LabやMITなどへの起業家研修や投資家向けのピッチコンテストへの出場、最優秀賞受賞などを経て、起業。自分が起点に、どのくらい多くの人を笑顔にできるかということを考えた結果、臨床→研究→起業という答えに辿り着きました。

仕事へのこだわり

「礼節・マナー」「一所懸命」「継続力」「多動力」にこだわっています。

「礼節・マナー」は、ずっとスポーツをしていたこともあり、仕事する上でも大前提に大切であると考えています。社長だからといって傲慢になるのではなく、共に仕事をする仲間とその家族、契約企業、ユーザー、株主などのステークホルダーに敬意を払い、真摯に向き合うことを大切にしています。

「一所懸命」は、何をしたいとかではなく、昔から目の前にきた仕事は全力で寝食も忘れ、打ち込んできました。人は、一所懸命になれば自然と目の前の仕事が大好きになりますし、そのスキルも身に付きます。選り好みせずに、目の前にきた仕事を自分のものにして、「世界で1番このことを考えている」と言えるくらいまで、突き詰めることを大切にしています。世の中には、1位にしか見えない景色があり、2位では意味がありません。何事も1位にこだわり続ける性格かもしれません。

「継続力」は、起業をする上では非常に重要な資質だと感じています。昔から、一度始めたことは、失敗して転んでも、結果が出るまで続けることを意識してきました。もちろん、これは一人だけでは出来ず、家族や友人などに助けられながら、継続して物事を進められてきたのだなと、振り返ると思います。

「多動力」は、昔から、病院勤務と大学院、その他の活動など、様々なことを同時並行で進めてきたからこそ、身についた能力だと思います。特に20代のうちは色々と関係のなさそうなことでも経験しようと思っていました。京都のお寺で坐禅をよくするのですが、そこの住職が、「軸というものは揺らぎがあるからこそ軸になるのであって、じっとしていては人生の軸もできない。全く関係のないことがいつか繋がって軸になる」という話をされていて、僕の人生そのものだなと感じています。

若者へのメッセージ

目標や夢はなくていいです。そして、好きなことを探して仕事にするのではなく、目の前のことを誰よりもできるように努力をした方が良いと思います。そうすれば、必ず、目の前の仕事が好きになります。それが目標になります。実行する前から物事を好きになることは、ほとんどありません。
あとは怖がらずに失敗をたくさんして、人生を楽しんでください。年齢を重ねたり、昇進したりすると様々な責任が生じてきますが、若いうちは、どんな失敗しても上司が責任を取ってくれると思います。成功するために必要なことは、どうやったら失敗するのかを学ぶことだと思っています。PDCAを回して、小さな失敗を毎日していけば、成功への道のりが見えてくると思います。
今後の人生、新しい挑戦をしようとすると色々な邪魔が入ります。その中でも一番の敵は自分自身です。「こんなことできるかな」「自信がない」などの不安が、自分の行動を止め、可能性を遮ります。しかし、自信というのは物事をやった後にしかつかないものなのに、何か新しいことを始める際には、自信がないことを理由に挑戦しない人が多いのです。考えるべきは、「やる」か、「もっとやる」か。ぜひ挑戦に溢れた社会を作っていってください。