Harada Naoya

原田直哉

株式会社カーサフライン 代表取締役 https://casafline.com/

現在の仕事についた経緯

大学を出てからはヨーロッパブランドのアパレル販売をしており、その後ファッションの専門学校を卒業して、27歳のときにセレクトショップのディレクターに就任、アメリカと日本を往復する日々が続きました。
30歳のときにヤングレディース系のアパレル企業へ転職し、本部長として勤務する中で、当初はごく小規模だった会社が、400億円弱規模まで成長していく途上を経験しました。
その後、エシカルファッションに関する事業を行うべく起業しましたが、同時にカーサフラインの立ち上げ準備中だった株主およびオーナー陣から社長就任の打診を頂き、お引き受けしたという流れです。

仕事へのこだわり

常に意識していることは、主に2つあります。

1つ目は、ビジネスのゴールや目的をきちんと設定しておくことです。
さもなければ、途中で必ずどう進むべきか迷いが出てきてしまいますし、成し遂げたい理想を持たないビジネスはただの金儲けになりかねないからです。

2つ目は、ビジネスの持続性を担保することです。
たとえ1つ目のゴール設定がなされていて、それがどんなに崇高な目的であっても、会社が途中で終わってしまっては意味がありません。事業体として運営していくために必要なものを現実的な目で見定められるかどうかも重要なポイントとなります。
私が経営者として特に心がけているのは、両輪のバランスをいかに保つかということです。したがって、社員が目的やゴールばかりを見ている、あるいは数字ばかりに意識が向いているといった偏りを感じた場合は、あえて逆方向を明示するようにしています。

今後の目標

弊社の創業にかける思いは「エシカルビジネスに取り組み、日本において発展・持続させる」というものでした。したがって弊社では、独自設定したエシカルの項目を10個すべてクリアした商品でなければ一切取り扱わないというルールを設けており、それが商品を1点ご購入頂くことで、生産者に還元され、社会への寄与に繋がるというサイクルを生み出しています。
私達が創業した当初は、ファッション業界はおろか、世間一般でもエシカルやサステイナブルという概念は普及しておらず、現在も一時的にエシカルな取り組みを実施する企業はありますが、私達のように主軸事業として通年行う会社は少数ではないかと思います。裏を返せば、日本においてエシカルビジネスを持続させることのハードルがいかに高いかを表しているとも言え、実際に私も経営者としてその難しさを痛感しているところです。
しかしだからこそ、私達のビジネスを今後も継続していくことで、エシカルビジネスに取り組む会社に持続可能性があるという成功モデルとなり、お客様にも「エシカル商品って何だろう?」と興味を持って頂けるきっかけになれればと考えています。

若者へのメッセージ

好きなこと、やりたいことにどんどんトライしてほしいと思います。
特に20代や30代のうちは何度失敗しても取り返しがつくものです。特に、仕事は人生において多くの時間を割くものですから、いろいろな世界を覗いた上で、自分の熱意が持てる道を選んだ方がいいと思います。
私達の時代において、大学を出て洋服屋になるというのはあまり理解を示されないことだったのですが、私はやはりお金を稼ぐだけのビジネスを10年も20年も続けるのは違うと感じていました。だからこそ、ファッションを通じて社会貢献できるようなビジネスの道を探り当て、今は精神的にも非常に満たされた毎日を過ごしています。
もちろん、諸事情がある人や、「仕事は仕事」と割り切れる人はそれでも構わないのですが、もし毎日やりたくもないことをやって嫌な気分で過ごしている人がいたら、ぜひ今後の人生のためにも、好きなことをして、それをお金に換えていくという道を本気で検討して頂きたいと思います。