Hashimoto Michiko

橋本 美智子

有限会社ビジョンブリッジ 取締役社長 https://www.visionbridge.jp/

現在の仕事についた経緯

30代前半の頃、アメリカの「ATM Forum」(現・Broadband Forum)という国際非営利団体に勤務することになり、約11年間アジア太平洋の事務局責任者として従事しました。
1990年代当時は、約4億円の資金が集まる団体で、ピーク時には会員数が1,000社ほど、その中にはマイクロソフトやIBMといった名だたる世界的企業からNTT、KDDI、富士通などの日本の大手企業まで名を連ねていました。
しかし着任当時から上司には「この団体は残って10年だから、次のステップも考えておくように」と言われており、それはつまりテクノロジーが普及されれば団体の目的は達成されるため、発展的解消がなされるという意味でした。
次のキャリアを視野に入れ、当時世間で注目を浴びていた米国公認会計士の資格を取得したのもこの頃です。
いよいよ「ATM Forum」が解散となり、大手監査法人様などからオファーを頂く一方、そろそろボスの言うことを聞いて仕事をするのではなく、自分で事業を運営してみたいという思いがむくむくと湧き上がってきました。
そこで、これまでの私の経験をもとに、日本初となる「アソシエーション・マネジメント」を通じて団体様の事務局機能を担う有限会社ビジョンブリッジを2005年、45歳で設立しました。

仕事へのこだわり

私達は17年間事業に従事する中で、団体様が目指すビジョンを会員様に周知し、フィードバックを頂きながら世の中に向けてブランディングし、最終的には新たな会員様を多く獲得できるようなマーケティングの仕組みを構築してきました。
そこで最も重視しているのは、1人1人のお客様の声を真摯に受け止めることです。
私達はこれまで多くの失敗を重ね、お叱りも頂戴してきましたが、その1つ1つと向き合ってきたからこそ、目的が達成された際にはお客様から多くのお喜びの声を頂けたのだと思っています。
なお弊社は、設立以降しばらくの間、赤字経営が続いていましたが、10年前からすでに「オンライン化」に着手していたこともあり、コロナ禍で多くの企業が赤字になる中、弊社は黒字に逆転するという思わぬ事態もありました。
これも、お客様のお声に耳を傾け、「世の中では一体何が必要とされているのか」をしっかり受け止めてきたおかげだと思います。

今後の目標

現状、弊社に事務局委託をご依頼される団体様は、設立されたばかり、あるいは発展途上といった団体様が多い傾向にあります。
私達がそのような団体様の発展に寄与するためには、いかに効率的に会員様を増やし、そして会員様に還元できるかという点が重要となります。
そしてそれは、団体様の特色やニーズがさまざまある中でも、大半の団体様に共通したいわばコアのニーズではないかと思うのです。
したがって、私達は事務局運営の仕組みを標準化し、あらゆる団体様に適用できるようプラットフォーム化できないかと目下取り組んでいるところです。

若者へのメッセージ

45歳で起業をすると宣言した時、周囲の反応は軒並み「なんでそんなことを!?」というものでした。
設立以降、辛いことも多くありましたが、私は常にハッピーだと思いながら生きてきました。
「ウェルビーイング」とよく言われますが、幸福な状態とは何かと言えば、それはやはり自分の価値基準に沿って生きているかどうかだと思います。
他人からいくら「おかしい」と言われても、あなたがハッピーであればWinnerですし、他人から「羨ましい」と言われても、日々アンハッピーであればLoserです。
したがって、みなさんには自分に正直に、思い立ったことはなんでもチャレンジしていってほしいと思います。
学習能力がある生き物は、失敗して失敗して失敗すると、どうしてもみんな諦めてしまうのですが、本当に負けるのは、諦めたときです。
ぶつかったときこそレジリエンスを発揮して、また次のチャレンジへ向かっていってください。