Hirai Shingo

平井 真吾

平井サッシ工業株式会社 代表取締役社長 https://www.hirai-sash.com/

現在の仕事についた経緯

弊社は現会長である私の父により設立された会社です。
私自身、建築が好きだったこともあり、幼い頃から「いずれは家業を引き継いでやっていきたい」という思いは持っていました。
その後、中学生に上がると、夏休みや冬休みに現場へお手伝いという形で参加させて頂いたり、高校生の頃には休日のたびに仕事についていったりと、自然な流れでこの仕事に携わるようになり、事業承継に至ったという経緯です。

仕事へのこだわり

私達の主な業務は、住宅やビルなどの建築物に窓を設置することです。
会社の特徴としては、メーカーがなかなか実現できないようなものを独自のアイディアと技術力をもって実現させ、陰の立役者として貢献することがあげられるかと思います。
それはすべて「良いものづくりをすることで、お客様のお困りごとに寄与したい」という思いによるものです。
一例としては、国内の家電メーカー様のクリーンブースを作るためにアルミの材料を1から開発したことがあります。特許も取得し、現在では全国の家電メーカー様にご利用頂いている他、PCR検査ブース等でも活用されています。
また明石大橋を作っている橋脚メーカー様のために、世界で1台しかない高さ6m×奥行き4mを超えるL型の巨大な扉を作ったことも、弊社の特徴的なエピソードです。

今後の目標

アルミメーカーは他にも複数ありますが、私達のように独自のアルミ材料を開発しているところはそう多くはありません。
よって、ヒライならではのアルミ製品をより幅広いお客様に認知して頂き、弊社だからこそ実現できるいいものを広げていきたい所存です。
そのために現在、国内だけでなくブラジルやカナダなどへの輸出も行っており、今後は海外進出も積極的に進めていければと考えています。
サッシやアルミ建具は、そもそもがマイナーな商品ということもあり、宣伝が難しい部分がありますが、SNSを使っての発信活動に努めたり、企業様だけでなく一般消費者向けの机やラックなどの家具をオーダーメイドで作ったりと、マーケットを拡大するためのさまざまな活動を行っているところです。
このように弊社や弊社製品の認知度を高めていく中で、若者世代が「日本のものづくり」に興味を持って頂けるきっかけ作りとなれば、より嬉しく思います。

若者へのメッセージ

現代は転職が当たり前の時代ですが、仕事や環境が合わないからとすぐに辞めてしまうのではなく、1つのことをとことん突き詰め、その分野のプロを目指していくことが大切だと思います。
そのためには、「自分に合う・合わない」という指標より、むしろ既存のものに自身が合わせていくという柔軟な姿勢が必要になってくるのではないでしょうか。
それはこの変化の速い世の中に対応していく上でも重要なことだと思います。
私は、人から「20代のときによく勉強し、30代で人脈を作り、40代はその学んだことと人脈を自分のために活かしていく時期」と言われたことがあります。
つまり、真のプロになるにはそれだけの積み上げが必要であり、さらに蓄積したものを自分の頭を使って活用する必要があります。
そしてプロになれるかどうか、本当の勝負は50歳を過ぎてからということです。
50歳以降を道半ばで過ごしてしまわないためにも、今のうちに「これだ」と思える道に身を投じ、多くの経験を重ね、知識やノウハウ、人脈をしっかりと構築していきましょう。
ひいては、人から「あなたに任せたい」と信頼してもらえるような人間を目指し、プロならではの誇りある仕事をしていってほしいと思います。