Hiyama Shoichi

樋山 証一

株式会社 ウイング 代表取締役会長 https://www.weing.co.jp/

現在の仕事についた経緯

金属洋食器の生産で有名な新潟県燕市で生まれ、両親は金属加工業を営んでいました。
私は高校卒業後、父からの「家は継がなくていいから、何かこれからの新しいビジネスをしろ」という言葉をもとに、現在のコンピュータの前身である電子計算機の専門学校へ進学。
その後、東京の小さなソフトウェア会社に就職し、システムエンジニアとして仕事をスタートさせると、その仕事にすっかり魅了されることになります。
兼ねてからの父との約束通り、5年後に帰郷しましたが、新潟でもシステム開発が少しずつ浸透してきていたこともあって、初の起業に至りました。
会社を興した当初は、システムエンジニアとして動きながら、営業や人事採用、財務会計まですべて見ており、多忙を極めました。
それでもなんとか軌道に乗り、紆余曲折を経て1991年5月17日に2社目の起業として、現在のウイングを立ち上げた形です。
2022年9月には、社長の座を次の世代へ譲り、現在は会長を務めています。
30年以上の経営者人生を振り返ると、その経験の数々から、今後チャレンジされる若い皆さんへ伝えたいメッセージ等も出てきました。
ちょうど出版社から複数の依頼があったこともあり、2022年3月には私のこれまでをまとめた著書を出版する予定です。

仕事へのこだわり

多くのIT企業が、エンジニアの派遣を生業としていますが、私はやはり自分の会社に入ってくれた社員達を売るような真似はしたくありません。
私が経営面で重きを置くのは、会社の規模ではなく、1人1人の存在価値や能力価値をいかに最大化できるかという点だからです。
よって、皆と共に、他社にはないような独自の製品を作り、それをお客様やユーザー企業様に直接届けたいという思いが最も大きなこだわりとなります。
差別化を図る上で、強みとも言える弊社の特徴は、ローコード開発にいち早く着手してきたことです。ローコードとは、人がコードをほぼ書かずとも、プログラムが自動生成されるという技術のことを指します。
3~4年ほど前からアメリカで、「ローコード・ノーコード」が叫ばれ、マイクロソフトやGoogleでも活用されている、今となっては当たり前の手法ですが、弊社はこのローコードを20年間リードしてきた存在として、コンサル業務でも貢献しています。

今後の目標

我々の事業割合は、お客様からのご依頼を受けてシステム開発を行うものが約8割、それからウイングのナレッジやノウハウを凝縮したテンプレートの開発・販売が約2割となっています。
今後は引き続きお客様のご依頼のために尽力しながらも、テンプレート販売をより拡大していきたい所存です。
システム開発は本来、多くの人手を必要とするものです。しかしこのテンプレートを活用して頂くことにより、弊社のローコード開発を気軽に活用して頂くことができるため、多くの企業様の省人化・省力化に貢献できるものと思います。
また、事業の1つとして、新潟県内の中小零細企業におけるDXの推進活動を行っているのですが、今回改めて仲間達と「Good Transformation(新潟DX推進コミュニティ)」を立ち上げるに至りました。こちらは、デジタルを通して新潟をよりよくするという目的のもと、2022年12月より本格的に始動いたします。

若者へのメッセージ

多くの方は目の前の仕事に対して、その難しさや、他人からどう見られているかといったことを気にしながら取り組んでいるのではないでしょうか。
すると、先行きが不安になったり、その仕事自体が嫌だと感じたりすることが多くなります。
そこで、仕事をするときは、目の前の作業ではなく、ゴールしたときの達成感や、どんな人が喜んでくれるかを想像しながら取り組んでみてください。
そうすれば、夢を見ながら楽しく活動できることと思います。