Horiguchi Tomohiko

堀口 智彦

株式会社ISILK 代表取締役 http://isilk.jp/

略歴

東京国際大学経済学部卒業。
大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。新卒で医療用具メーカーに入社。3年間営業を経験。2007年に渡英。ロンドン芸術大学(LONDON COLLEGE OF FAHSION)にてファッションデザインを学ぶ。
帰国後、2010年にgigibytomohikohoriguchi メンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。
現在は秩父の自然のMEGUMIを使ったフレグランスブランドblacklettersを展開中。

現在の仕事についた経緯

もともとファッションが好きで、大学卒業後はファッションデザイナーを目指していました。夢を追いかけて渡英し、帰国後に自身のブランドを立ち上げ、右も左もわからない中で日々成長をしていきました。
その後ブランドを休止し、3年間企業でデザイナーとして働く中で、ファッションデザイナーとしての価値を疑問視するようになりました。それと同時に、ファッションディレクションという、もう少し広い枠でのデザインの可能性を見出していきました。
その過程で、たまたま地元の秩父銘仙着物プロジェクトに携わる機会を得て、シルクと出会うことができました。秩父の歴史に触れ、シルクの魅力に取り憑かれると同時に、着物=シルクではなく、化粧品=化粧品に対するビジネスの可能性を探求し、知識をつけていく過程で香りというものにも出会いました。
そんな中、埼玉県秩父の地元で取れる天然の黒文字に出会ったことが、今のブランド設立につながっています。

仕事へのこだわり

とにかくなんでもチャレンジ。チャレンジをしたら1つでもいいことがある。
行動しないより、行動した方がより多くのチャンスを得ることができると思い、昔から色々なことに挑戦してきました。それは逆に言えば飽きっぽい部分も持ち合わせているということです。
仕事へのこだわりは、唯一無二の自分でしか表現できないデザイン、プロダクトを作り上げることです。今までは全て自分で完結していましたが、よりいいものを作るために得意分野は得意分野の人に任せることで、よりいいものを作ることができます。人生を重ねるごとに、そんな可能性も少しずつ学んできました。

未だに自分中心になってしまう悪い部分もありますが、少しずつ変化してきたと感じています。
現在では自分がメインというよりは、土台として人を支えることもすごく重要だと感じています。誰もが1人ではできない仕事がたくさんあると思います。
また、仕組み作りという部分でもなるべく時間を短縮し、いかに効率よくプロダクトを生み出したり作業をしたりすることが出来るか、ということに生きがいを感じることも多々出てきました。
なるべく小さな力で多くを生み出す。そのために必要な構造をデザインすること。これもデザイナーの1つの仕事だと考えて取り組んでいます。

若者へのメッセージ

まだまだ私も若者の1人で、私よりも若い年齢で大成している方もたくさんいらっしゃいます。自分も初心を忘れず、亀のように遅いですが着実に前進していければと思います。
若いうちは何事にも恐れず、自分のやりたいことにチャレンジし、特に海外に行くことをお勧めします。それは、日本にいるとなんだか窮屈で、日本人の考え方に縛られ、自由な発想ができなくなることもあるからです。
海外に行くと自分がピーターパンみたいに思えてきますし、自由な自分を取り戻す、いい機会になると思います。

また今後はグローバル社会は必須になってきて、鎖国的な「日本語のみで郷に入って郷に従え」という時代はもう終わりに近づいていると思います。日本は在庫を持つ商売を中国に全て渡して、自分たちはシステムだけを運用するのみで会社を運営してきた気がします。
今は円安の時代で、日本の生産受給率はどんどん下がっていて、生産者がどんどん減ってきていることがかなり問題になっています。在庫を持って売るより、“仕組みを売る”という商売にシフトしつつあります。かなり危険です。日本ではもうなにも作れなくなってします。
そうならないようにまた新たな仕組みを作ることが必要です。そのためには日本のマーケットだけではなく世界に向けたマーケットをもっと広げるべきだと思います。

私も自分の作ったプロダクトが地域からスタートし、地域活性化のサーキュラーエコノミーを作れるような仕組みを作っていきたいと考えています。秩父がベースにあり、商品展開は海外。それを知ってもらった人に来ていただいて、体験や宿泊をしてもらう。
そんな唯一無二の体験ができる施設ができたらなあと、いつもおっきい夢を持って行動しています。
是非皆様も大きい夢を持ち、どんどんチャレンジしていってください。