Horiuchi Noriaki

堀内 紀彰

合同会社ミルクソフト 代表 https://milksoft.co.jp/

略歴

一橋大学商学部経営学科卒業。新卒ながら独立・起業し、現在はソフトウェア開発会社を経営中。
プログラミング言語Scalaに関して解説する逆引き事典サイト「Scalapedia」を運営し、普及に尽力。(https://scalapedia.com

現在の仕事についた経緯

私が就職活動をしたのはリーマン・ショック後の就職難の時代でした。希望の就職先が見つからず、いずれ経営の道へ進むつもりでしたので、「これからはITだ」ということで自らIT系のビジネスを立ち上げることにしました。
スタートアップ数社の立ち上げを行うなど紆余曲折ありながら、プログラミング言語「Scala」と出会いました。Scalaは高機能・高品質なソフトウェアを迅速に開発し長期的に保守していけるプログラミング言語です。Scalaとの出会いによってその後多くの案件をいただくことになり、事業が軌道に乗りました。

現在はソフトウェア開発全般を扱っていますが、特にScalaに関連するソフトウェアの開発・保守・技術指導を中心とした事業を行っています。当時を振り返るとずいぶん苦し紛れな一手でしたが、刺激的で充実した人生を歩むことができているため、結果的には大満足です。

仕事へのこだわり

私が仕事に対してこだわっているのは、お客様の目先の利益だけでなく中長期的な利益も同時に実現することです。これはお客様の中長期的な利益を最大化することにより、お取引を良好な関係のもと続けることができ、その結果として弊社もまた中長期的に健全な形で成長することができるからです。お客様の中長期的な利益を実現するため、私はソフトウェアの保守性にこだわっています。

では保守性とは何でしょうか。機能や性能などは特定の時点においてソフトウェアが備えるべき要件ですが、これに対して保守性とは特定の幅のある「期間」においてソフトウェアが要件を満たすことができる状態を指します。
そもそもソフトウェアは内容の確認が難しく、また、動かすだけであれば品質を気にせず作ることができますし、そのように作られたソフトウェアは大抵の場合には品質度外視になります。しかしそのようにして作られたソフトウェアは、たとえ特定の時点において必要な機能や性能を揃えてリリースすることができたとしても、その後継続的に維持管理・機能追加・性能向上などを行っていくことが著しく困難になります。つまりこの点においてソフトウェアの品質とは大きく「保守性」と言い換えることができます。

一般に、事業においてソフトウェアはなるべく長い期間運用するものです。つまり品質、すなわち保守性の低いソフトウェアはまさしく事業の継続性に関わります。この「期間」をなるべく長くしてあげることが事業にとっての利益になる、というわけです。これこそが私が保守性にこだわる理由です。お客様に保守性の高いソフトウェアを提供し、事業の継続性を盤石なものにすることが弊社の使命でございます。

若者へのメッセージ

若い方々にお伝えしたいのは、「失敗するなら若いうちのほうがいい」「努力は裏切らないけれど、頭使って努力しないと普通に嘘つくよ」ということです。

一般的には「失敗するなら若いうちのほうがいい」と言われますね。私もそのとおりだと思います。しかし闇雲に行動して失敗しても、それは残念ながら人生の糧にはなりません。いわゆる「自分探し」のように、具体的な成果につながらないまま貴重な時間やお金を浪費し続けることになりかねません。これではいつまで経っても成功することはできず、淡い期待にしがみついたまま人生を棒に振る、いわゆる「可能性に殺される」結果となります。

それではどうしたらよいのでしょうか。ここでもう一つ引用したいのは、メジャーリーガー・ダルビッシュ有投手の「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」という言葉です。これはまさに努力一般にも通じる言葉です。
行動する前にまず自分がどのような成果を期待しているのか認識したうえで、行動したあとにはその結果が期待通りだったかどうかを振り返ることが重要です。いわゆる「PDCAサイクル」「仮説検証サイクル」「アジャイル」などの思考・行動フレームワークで言われることと同様のことですが、これを自分の日々の行動にも適用して次の行動に活かすことこそが重要です。

私個人の経験としても、自らを振り返り行動を改めることを怠った時期にはやはり人生が停滞します。継続的に自分の行動を見直し改善することによって、精度高く行動できるようになりましょう。