I Mijyu

李媄珠

株式会社青島裕之建築設計室 プリンシパルアーキテクト・一級建築士 http://aoa.co.jp/

略歴

1989年12月ソウル近郊に生まれる。日本語の美しさに惹かれ、高校を卒業した18歳の初春来日、東京日本語学校へ進学。法政大学デザイン工学部建築学科卒業。中規模の組織設計事務所に所属。2018年現事務所に移籍。難解な建築法規の日本語の壁を打ち破り、独学で一級建築士の試験に一発で合格する。プリンシパル・アーキテクトとして数多くのコンペ案をまとめ、そのいくつかで勝ち抜き、建築として実現させる。
最新作:福島県二本松市「にほんまつ城報館」

現在の仕事についた経緯

日本語学校が渋谷にありましたので山手線で通学していましたが、窓越しに街並みの景色を見るのがとても好きでした。特に丹下建三の代々木競技場を見た時は一日中あの形がどうやって成り立っているのかを解明するのに夢中でした。そうしているうちに将来は誰かの大切な思い出の一部となる空間づくりをしたいと思うようになりました。
大学で本格的な建築教育を学び、建築家になることを志すようになりました。初めに所属していた設計事務所で、設計の基礎を身につけ、徐々にコンペを一人で担当するようになり、より高いレベルのデザイン力を求め、現事務所に移籍しました。

仕事へのこだわり

私はこれまでのようなハードウェアとしてデザインされた建築を作るのではなく、そのプロセスの中から新しい視点や価値観を探っていきます。そして空間や時間、エネルギーといった私たちの身の回りの環境にある全てをバランスよくデザインしていきます。そして、新たな時代にふさわしい建築家としての職務を見つけ出していきたいです。
それを一言で表現するなら、私たちは地球をデザインしたいのです。今はまだ女性3人、台湾出身のデザイナーと日本人で大学院出の理論派アーキテクトだけのチームですが、ソウル、台北、東京を結んで活動を展開し、アジア全体にネットワークを広げながら女性ならではの美しい仕事を残していければと思い、「IMJとその仲間たち」という組織を立ち上げようと考えています。

若者へのメッセージ

設計の仕事は苦労も多く大変ですが、多くの人々と一緒にモノを作ることは楽しいです。建築家はその中心にいて誰からも信頼されなければいけないですし、その責任も大きいものがあります。
今はまだ少しずつ周りに助けられながら建築家の卵として歩んでいるところですが、夢は大きく持っています。
まず私自身、女性で外国籍です。今日本にはアジア各国から建築デザインを学びに若者たちが来ています。女性も意外と多いです。女性、外国籍、建築家を志すという切り口で、何か繋がっていけるネットワークのようなモノを作っていけないだろうかと模索中です。より国際性豊かな感性を持って、多様な仕事を展開したいと思っています。若い皆さんには夢を大きく持って欲しいです。