Inoguchi Akira

井野口哲

株式会社Alchemist 代表取締役 https://ac-alchemist.com/

略歴

1976年5月18日東京都生まれ。会計専門の学校を卒業後、税理士を目指し会計事務所に入社。入社後すぐに、担当した会社が経営難に陥り税務以外の急場の仕事を任される。その仕事をきっかけに、様々な会社の経営問題解決に悪戦苦闘の日々を過ごす。
独立後、経営コンサルティング会社を設立。勤務時の経験を活かし、クライアントの事業再生、業務改善の経営コンサルティングを行う。その後、グループ会社に税理士法人を設置。クライアントの税務相談、相続相談などにも着手。
ターンアラウンドマネージャー・事業承継マネージャーの資格を活かし、経営難に陥る会社や企業承継の経営課題に関してのコンサルティングを行う。
既成概念にとらわれないビジネスモデルの創造に、楽しみながら日々悪戦苦闘している。
FM地方局のラジオ番組にて、リスナーの経営相談及び税務相談を行う。

現在の仕事についた経緯

会計事務所に入所後に初めて担当を任された会社が、業績が連続して低迷し、資金難に陥っていました。銀行借り入れもできず、ノンバンクからの借り入れもあり、日々資金繰りの工面で事業どころではない会社でした。
入所当時は、会計や法律の知識も乏しく、何もアドバイスができませんでした。結果として社長が自殺、残された家族は全員自己破産。自宅を失い一家離散してしまいました。
自分に法的整理などの知識がありアドバイスをしていれば、命を落とす結果にはならなかったのではないかと思います。
経営者の中には誰にも相談できず困っている方、苦しんでいる方が多くいます。そのような方々の再起の手助けや苦悩から解放する手伝いができないか、と考えました。それがきっかけで、再生支援の仕事に携わるようになりました。

仕事へのこだわり

周囲の人や同業の人と違うことをやりたいと思って、常に考えています。仕事のみだけでは自分の発想の幅が広がらないため、遊びも重要です。遊びから学ぶことが多いと思います。
また、視野を広げるだけではなく、視座も変えて考えるようにしています。思いついたら即行動するように心がけていて、何事もやってみてから判断するようにしています。他人から反対されたとしても、上手くいくかどうかはやってみないとわからないと思っています。

新しいことに対しては、楽しくできるかがひとつの判断基準です。依頼された業務をただ単純に経験則でこなすだけではなく、より楽しくできるかをまず考えています。自分にとって、楽しめるかどうかを考えることが何よりも大切だと考えています。たとえそれで苦境にたったとしても、それを逆境として捉えて良い経験ができたと前向きに捉えるようにしています。

会計業務だからとか、専門職だからとかに制限を設けずに、特にこだわらないことがこだわりです。専門職としての固定観念にとらわれず、様々な業界の方々の意見を聞き、良いものは取り入れ、様々な業界、職種の方々とつながりを持つことが大切だと考えています。
様々な方々の意見やつながりから、また新たな仕事の派生や新たなアイデアやビジネスモデルが生まれると考えています。
人や会社の粗探しを行い、悪いところを指摘して改善を促すことをするだけではなく、その人や会社の良いところを見つけ、伸ばすことができないかを考えています。

何事も教えることに固執せずに、人の意見を聴くことを重要視しています。社外のみならず、社内でも信頼関係が重要だと考え素直に意見交換できるよう、環境作りが重要だと考えています。

若者へのメッセージ

ただ働いて給料をもらうのではなく、その仕事を通じて何が得られるかを考えた方が自分自身に磨きがかかると思います。
初めは、出来ることが少ないことが当たり前で、5年後10年後を見据えて出来ることが増え、自分の存在意義が発揮できるように、何でもチャレンジすることがいいと思います。
“若いときは苦労をしてでも”という方はいますが、私はそうは思いません。苦労した結果、身にならないことも沢山あります。
一生懸命頑張ったところで自信や成功につながるとは限りません。
人から言われた通りにやって、一生懸命頑張り苦労したところで、自分にとっていいかどうかは別問題だと考えます。
自ら何かに前向きに取り組んでいれば、それを援助してくれる方々と出会うことが多いです。そういう面で、自分は運がいいかを問うことが重要だと思います。
ちなみに私自身は運が良いと思っています。独立できたこと、業務提携をしてくれたこと、仕事の幅を広げてくれたこと、いろいろと失敗もありましたが、それを支えてくれた方々とつながれたことに対して運が良いと思います。
運が良いと思える人は、自分自身に目を向けられているから運が良いとわかるのだと思います。自分を認め、自分を労うことが成長につながると思っています。