Inoue Ryutaro

井上 隆太朗

株式会社井上寅雄農園 代表取締役 https://toraonouen.co.jp/

略歴

佐久長聖高校卒業。玉川大学農学部卒業。日本農業経営大学校卒業。卒業後オランダにてイチゴを栽培する農業法人にて1年半勤務。帰国後、地元企業にて3年勤務後、2020年7月に独立し、個人事業主として長野県佐久市初となるイチゴ狩り園を開園。2021年3月法人化して「株式会社井上寅雄農園」を設立。

現在の仕事についた経緯

私はリンゴ農家「井上寅雄」の孫として生まれました。
始めは全く農業をするつもりはなく、高校までは甲子園を目指し野球ばかりをしていた学生でした。
残念ながら甲子園には行けず、進路をどうしようかと考えていたときに、元々野球が好きだったこともあり、外で仕事ができる農業の道に進むことを決意しました。
大学入学までは、朝に実家のリンゴ作業を手伝い、リンゴ栽培を少しずつ覚えていきましたが、祖父の体力が落ちていることや、毎年リンゴの木が減っていたこともあり、新たにイチゴの栽培を開始しました。イチゴ栽培を開始した際に失敗した経験を元に、全国のプロ農家に相談できるサービス「アグティー」を開設しました。

仕事へのこだわり

「最高の人生だったと思える仕事を」というのが座右の銘になります。そのため私が大事にしているのは死ぬ直前に後悔しない選択をするということです。
もちろん企業なので売上とのバランスは大事にしますが、直感的にやりたいと思う事や10年後やその先に必要になりそうなことに関しては直近の売上にならなくても行うようにしています。
また私がいる農業界は非常に閉鎖的な文化なので、農家=農作業をしなくてはいけない。という文化が強くあります。しかし、個人的には農家も農業経営者であり、経営のことを考えていかなければいけないと感じています。もちろん規模に応じてにはなりますが、作業だけでなく経営のことも考えていかなければ成長はないと思います。
そのため私は現場で作業を極力しないことを意識しています。今の規模であれば自分が現場に入ってガンガン作業した方が人件費は抑えられ、意思決定も早いので利益が上げられます。
ただそれだと私の考える時間や次のアイディアを実行する時間は割かれてしまうため、仲間を集めて農業を行っております。
その甲斐もあって、2年目ではありますが仕組みが段々出来てきており、私も現場を離れて新しいことに取り組めております。
また農業では借金をするべきではないという風潮もありますが、企業として成長するためには不可欠だと考えております。
私はこういった既存の農業界の常識を疑い、今までにない農業経営の体現し、若い世代に農業という職業を選択肢に入れてもらえるように精進します。

若者へのメッセージ

最近、自分より若い方とお話する機会が増えて、その際に必ず言われるのが「やりたいことがないんです。」という意見です。結論、「やりたいことは見つからない。見つけに行くものである。」と私は考えています。
私自身も農業をやりたかったかというとそんなことはありません。実家が農家ということで農業を始めました。農業界に入っていると色んな現状が見えてきて「これをやってみたい!こういうことができるのではないか?」といったアイディアが生まれ、実践していく中で楽しくなっていきました。
行動を起こす前に頭で考えていたら何もできていないと思います。ですので若い方はまず、目の前にある選択肢を1つを選んで行動してみることが大事だと私は考えます。やってみてつまらなかったり頑張れそうになければ辞めてしまえばよいのです。

10代や20代前半の方は色々な情報を収集して選択肢を増やし、その中からとにかくやってみるのがおすすめです。私もまだ30年しか生きてきていませんが、そのように生きてきて後悔はしていませんし、今後も行動して考えながら進んでいくと思います。
人生は1度きりなので楽しみましょう。後悔ない選択を!