Iwakiri Takano

岩切貴乃

株式会社wiwiw 代表取締役社長 https://www.wiwiw.com/

略歴

大学卒業後、大手電気メーカーの研究所に研究職として入社。その後、海外PCの商品企画としてマーケティング・市場分析・競合分析・商品企画に従事。事業企画、グローバルセールス、経営企画を経て、コーポレートのダイバーシティ部門に異動。コーポレートスタッフとして、グループ全体の女性活躍支援、男性の育児参画、ワークライフバランス、働き方改革、意識風土醸成を牽引する。その後、経営企画部、企業博物館館長を経て、2020年12月より株式会社wiwiwに参画し、執行役員として従事。2021年10月より執行役員副社長、2022年4月より現職。2019年度より川崎市教育委員。
ダイバーシティ部門在籍時代には、「女性管理職養成のための研修」企画・運営、「主任候補者を養成」するための対象者全員研修の実施、北海道から九州まで各事業場・支社で「役職者研修」の実施、グループ内風土改革のための小冊子・新聞の発行、経営と結びつけるためのChief Diversity Officer制度の導入など、新しい施策を次々と実行した。また、岡山大学、立教大学、中央大学、早稲田大学、筑波大学の各大学や、産総研、21世紀職業財団、東京電力、九州電力、JR東日本、日立などでダイバーシティに関する講演を行う。

現在の仕事についた経緯

女子校での経験から、どんなことも女子が当たり前にリーダとなる精神が培われました。一方、新卒入社の会社は圧倒的に男性が多く、当時は女性にのみ残業規制もあり、残業時間をはじめ仕事のアサインにも男女差が生じるという現実に直面。戸惑いとカルチャーショックを受けました。
2004年にスタッフとして全社の「ダイバーシティ推進」の事業に携わった経験が、その後の人生に大きく影響を与えました。運が良い人だけではなく、誰もが力を発揮し活躍できる社会を創りたいと考える様になりました。
男女雇用機会均等法や女性活躍推進法などが施行され、変わりつつある日本社会で、変わりきらないマイノリティを取り巻く環境を、企業の組織改革を通じ「一人ひとりが力を発揮できる社会を創造したい」と、2020年12月にwiwiwに参画しました。

仕事へのこだわり

「行動を起こしてみる」
採用試験の時、技術職希望の私が受験したのは、事務職試験だと判明。入社後、きっと後悔するだろうと「技術職」として採用して欲しい旨申し出ました。すると試験官は「受験し直す様に」と助言。
試験に合格するも希望部門の「研究所」は、ほぼ予約配属だと知りました。部門を3つまで希望できる仕組みであったため、第一希望も、第二希望も、「総合研究所」と記載。そして「総合研究所」に配属されました。
「FA制度」も「公募制度」もなかった入社6年目、上司に相談し、他部門面談の約束を手に入れました。そして、先方から脅されながらも、二度の面談の末、異動を掴みました。この時の海外ビジネス事業の経験がなければ、「ダイバーシティ」部門への異動もなっただろうと思います。行動を起こすことで道が拓け、人との出会いが選択肢を提示してくれたことを実感しました。
世の中は「人」が動かしています。機械ではありません。行動を起こすことで何かが変わるかもしれません。人が仕組みを変えていく、人が流れを変えていく、人が気持ちを変えていくのです。

「行動を起こす機動力は想い」
行動を起こす時、様々な行動の理由があります。強い原動力は内発的な機動力であり、それは想いです。多少困難があっても、本当にやりたいことであれば、苦労を苦労とは感じなくなります。環境を変えられなくとも、自身の受け止め方やその時のマインドを変えることはできます。何を感じ、どのように生きるかを選ぶのは自分自身です。想いは誰にも奪うことはできません。
生きる意味や価値は、誰かから評価されるものでも、外部から決定づけられるものでもありません。ましてやどう感じ、どう生きるかは、誰からも奪われることはなく、自身で決められる最大で最高のものなのです。どうせやるなら、どんなマインドで行動するか。誇り高く取り組むのも、とりあえずこなすのも、やらされ感満載で取り組むのも選択です。その蓄積が自身の人生になるのだとしたら、どんな想いで取り組んでいくかだと思います。

若者へのメッセージ

ある「成功者」の方から言われた言葉が心に残っています。
苦難に遭われても、尚、やり続けることの凄まじさを感じ、「成功の要因は何だと思いますか」と質問しました。曰く、「自分は他の人よりもちょっとしつこいだけなのです」と。
ブームが去り、実現不可能だと言われ始めると、多くは成功を見ずして追求を辞めます。ところが、その方は一人黙々と探求し続けました。他の人より、ちょっとしつこく。そして、競争がほとんどなくなった頃、結果が手に入りました。
曰く、「成功するまでやり続ければ、『成功者』と言ってもらうことができるのです」と。

VUCAの時代、先は見通せず、過去の常識が通用しません。自分が関わっていることも、本当に実現できるか分からないことだらけです。自分の人生では全うできないかもしれないし、実現しても環境が整わずに普及しないかもしれない。時期尚早で、世の中がついてこられないかもしれない。COVID-19パンデミックも、ロシアによるウクライナ侵攻も、予測すらしていなかったことが多々起こる時代です。

「それでも」だからなのか、「だからこそ」なのかは分からないですが、自分で信じたことに関わり続けていくことが、夢の実現への近道です。失敗を恐れていては何も始まりません。失敗は成功の母です。
ただ一つ言えることは、人生は自分のものであるということです。誰のものでもない、自分の人生。そして、人生100年時代になった今、実り多き豊かな人生を歩んで欲しいと思います。