Jinba Toshikazu

神馬 敏和

株式会社ジョア 代表取締役 https://www.joie.co.jp/

現在の仕事についた経緯

弊社は1986年、私の両親によって創業された「働く女性に特化したユニフォームのアパレルメーカー」です。
私は高校卒業後、両親の影響もあってか、服に関わる仕事がしたいと地元・岡山を離れて大阪で複数のアパレル関連業務を経験しました。
しかし5~6年が経ってなお、当時の不況や私自身の実績不足から、なかなか理想とする仕事に就けず、一旦すべてを白紙にするつもりで地元・岡山に戻りました。
そんな私の状況を知ってか知らずか、父から「よかったら会社に入ってみるか」と声を掛けてもらい、25歳で株式会社ジョアへ入社。
営業から経験を重ねていったものの、13年が経っても先代社長の父からは全くもって役職を与えてもらえず、もともと若い頃から経営者の立場に憧れていた私としては一筋縄ではいかない状態が続いていました。
そんな状態を何とか打破したい私は、事業承継を含め、あらゆる提案を行いましたが、父からの返答はすべて「ノー」、最終的には「東京オフィスを新設し、そこで周りが納得する実績を出したら代表を交代させて欲しい」という内容に首を縦に振ってもらえたのでした。
そして東京進出して3年半後、取引先様や社員に恵まれたこともあり、約束通りの実績を上げた私は、2017年に晴れて社長就任となりました。

仕事へのこだわり

常日頃から社員に伝え、自分自身にも言い聞かせていることは「行動・実行してこそナンボ」ということです。
私が一般社員だった時代は、失敗を気にせずとにかく動くことを意識していました。もちろん闇雲に動くのではなく、ある程度のアイディアや計画があることが前提となりますが、社会にはどうも「考えただけで満足する人」が多いように感じられます。
しかし行動してこそ、人はその経験から知見を得たり、視野を広げたりできるものです。たとえ失敗しても、そこから学ぶことも多いにあるでしょう。したがって、社内でもトライアンドエラーでどんどん動いて、どんどん失敗するように伝えています。
経営者の立場としては、後手に回ったような後ろ向きな失敗は好ましくありませんが、社員が前向きな姿勢の先に転んだ場合は、喜んで責任を取るつもりでいます。

今後の目標

女性用ユニフォームのアパレルメーカーとしての弊社のミッション「働く女性が高揚感を抱けるような価値の創造」を実現するために、今後はユニフォームだけでなく、新しい事業領域への参入も検討中です。
ユニフォーム分野では、昨年すでに新しい施策として、美容医療・エステサロン・クリニック関連に特化したブランド『LA BEAUTE collection』を立ち上げました。
昨年からの取り組みながら、販売実績が順調に伸びていることもあり、今後は益々ラインナップの拡充の強化を図ります。
総体的には、弊社のメインブランドである『華やぎコンシェルジュ(受付・インフォメーション・コンシェルジュ向け)』を中心に「働く女性が着用して仕事をしてみたいと“憧れ”を抱くブランド」をコンセプトとして追求して行きます。
高級感と上質感、そして華やかさの備わった商品創りを使命とし、全ての働く女性が弊社の商品を見ただけで高揚感を抱いていただけるような、いわば「ユニフォーム業界のシャネル」を目指したい所存です。
また、お客様からご好評を頂いている弊社の“クリエイティビティ”という強みを存分に活かし、なおかつ本業とのシナジーが生み出せるような新規事業を展開することで、今後少しずつ事業規模を拡大できればと考えています。

若者へのメッセージ

前述した私の仕事へのこだわり「行動・実行してこそナンボ」を皆さんにも伝えたいと思います。
最近の若い方は、良くも悪くも賢くて、論理的で、ともすれば屁理屈に終始してしまい、実際の行動に繋がらない人が目につきがちです。
さらに近年の情報量の豊富さも加わり、失敗を回避しようとする人があまりに多い気がします。
しかし先の10年後を見据えれば、今最も重要なのは、多くの経験を重ね、失敗しておくことではないでしょうか。若いうちの失敗は周囲からも仕方のないものとして許されますし、フォローしてもらえることも多いです。
ぜひ“今”を最大のチャンスと捉え、理論武装で自分の殻にこもらず、どんどん動いていってほしいと思います。