常葉大学教育学部卒。教員として日本と海外で8年間勤務。通常学級、特別支援学級、特別支援学校を経験。読書感想文審査員3年間。県の研修指導主事に授業力を認められる。退職後、IT系事業に取り組む。その後、一般社団法人ORDERMADE子育てを設立。
略歴
現在の仕事についた経緯
幼い頃、まさに亀のように、自分の殻に閉じこもり自分の意見が言えませんでした。
小学校の先生として働き始め「不自由な世界」が広がっていました。“こうあるべきだ”にあふれる職員室は、誰も意見を言えない雰囲気でした。
私は「こんな世界は嫌だ」と思いました。そんな時、オーストラリアへの交換留学の案内がきました。「これだ」と思い、直ぐにオーストラリアへ向かいました。そこは、日本と真逆で、職員会議はまさに討論でした。年齢も役職も関係ない、皆が意見を言う文化がありました。私は衝撃を受け、「意見って言ってもいいんだ」と私の中で何かが吹っ切れました。
その後、帰国した私は先生を退職し、転職し、出産を経験しました。ママの世界も「不自由な世界」でした。「あなた、ママなんだから」という固定概念があふれる世界でした。私は、辛く、余裕がなくなり、気づけば我が子のことが嫌になっていました。
そんな時、癌になりました。
闘病中、命や人生について考え、子どもを嫌になった自分が嫌いになりました。闘病期間を終えた私は、自分の悩みをママ友に相談。すごく救われました。何かお礼がしたくてそのママ友の悩みに対して過去の経験を生かして相談にのりました。
「すごく救われた〜ありがとう。」この言葉を聞いて「私も役に立てるかもしれない!」と思い、この事業を立ち上げました。
仕事へのこだわり
自分のことをまず分析することを大切にしてきました。苦手なこと、得意なこと、当たり前のようにできることは何かということを自分で振り返るだけでなく、周りの人にたくさん聞くようにしてきました。
そして、苦手なことは得意な人にお願いしようと考えてきました。一人でできることには限りがあるし、時間にも限りがあるので、必ずすぐに限界がくることも実感していました。だからこそ、どんなに人間関係のトラブルがあっても、人とできることできないことをお互いに補い合いながらビジネスをしようと思っています。
できることが増えたり、経験が増えたり、人脈が増えたりしていくと、初心を忘れることがあるので、私は最初に抱いた感情や感覚、思ったことや考えたことを忘れないように意識したり、紙に書いて壁に貼ったりしています。自分についてのイメージや良いところ、目標や成し遂げたいことも忘れないように壁に貼っています。自分の力を信じる気持ちと同時にできないことも受け入れたうえで、上を目指していきたいと学生の頃から考えて生きてきました。
また、周りの人に聞いた私のイメージの中に、素直・本音で話してくれるという内容がありました。この2つに関しては小さい頃から変わらないと思います。分からないことは分からないと言う、知らないことは知らないと言う、学びたい意思を伝えた上で教えてもらう、必ずお返しはすると決めています。お返しは相手の喜ぶ顔が見たいというよりも、自分の気持ちがすっきりするので行っています。徳を積むという考え方もできますが、どちらかというと私自身の気持ちの問題だと思っています。
これだけ人と関わり、人を信じ、人にお願いもしながら生きてくると、裏切られたり、騙されたりしたこともたくさんあります。誤解されることもありますし、人と関わることが嫌だと思うこともありました。しかし、それ以上に、私は、私ができないことや苦手なこと、一人でできる限界値を分かっています。そして、お願いした人がやってくれたことと私がやったこと、この2つがマッチして成果が出た時のなんとも言えない喜びも分かっています。
これはもう、快感なのかもしれません。だから、人と関わること、周りの人と共に成長すること、人に興味をもつことをやめられないのかもしれませんね。
若者へのメッセージ
人はそれぞれ生きることや仕事をするためのエネルギーの元になるものは違うと思います。好きだから、誰かのために、ほめられたいから、認められたいから、反骨心、見返したいからなど。どんな理由でもいいと思いますが、理由がないと続かないと思います。
理由はその都度変わっていいと思います。環境が変われば、周りの人が変われば、理由も変わります。理由をもって行動するといいと思いますね。
理由を見つけるにはどうしたらいいの?と思った方は、一旦、固定概念やルール、規則、当たり前、常識などを全て忘れて感情的に物事を見てみると面白いです。また、「なんで?」と考える癖をつけると自分の行動や仕事に対しての理由だけでなく、様々な悩みに対して、自分だけの答えが見つかるのではないでしょうか。
意見が言いにくいとか自分の考えは間違っているのではないかと思う方がいたら大きな声で言ってあげたいです。「とりあえず、その意見、口にしてみて!」と。繰り返していると、どのように伝えればいいか考えるようになるし、共感してくれる方が集まってくるし、自分らしさも周りの人の声から知ることができます。
そうしたら、自分らしさを思う存分発揮しやすいと思います。これからの時代、人生の最大の武器は「自分らしさ」だと思います。