Kato Mikiyasu

加藤 幹保

LGBTQ就職株式会社 代表取締役社長 https://www.lgbtqjob.biz/

略歴

大学院中退後、大手製薬会社へ入社。並行してLGBTQ講師として講演活動を開始し、2016年日本LGBT協会理事に就任。その後、人材育成に特化したベンチャー企業にて多様な人材の採用や育成について学び、2022年3月にLGBTQ就職株式会社を設立。

現在の仕事についた経緯

LGBTQや性別違和に関する講演や研修を進めていくにつれて、性別は男性か女性しかないとする二元論が強い日本社会の中で、活躍の場所を失っているLGBTQ+の方々が非常に多いと感じるようになりました。
特に、就労やキャリア形成においては、私自身も非常の苦悩してきた経験があり、日本企業にDEI(Diversity,Equity&Inclusion)の文化を根付かせるにはどうしたらいいかと模索してきました。
多様な人材の育成に力を入れているベンチャー企業との出会いもあり、DEIの考えは組織を活性化していくと確信に変わっていきました。
今年の4月に中小企業においてもSOGIハラスメント防止が義務化されたこともあり、LGBTQ+を含む多様な人材が活躍できる持続可能な経営組織づくりを促進していきたいと思い、今年3月にLGBTQ就職株式会社を設立しました。

仕事へのこだわり

「自分の選んだ道を正解にする」を常に意識して仕事に取り組んでいます。
大きな決断をするときはもちろんですが、日々の小さな選択もその選択の結果が正しかったと思えるように行動しています。約8年前にLGBTQに関する講演を始めた時には、自身の性別違和に対しても悩んでいる時期だったので、周囲からも心配や反対をされました。ただ、性別違和を理由にしてキャリアやライフイベントを諦める人生にはしたくないという強い思いがありました。
そんな時、高校時代の先生に言われた「自分の選んだ道を正解にすればいい」「迷ったら険しい道を選択しなさい」という言葉を思い出し、思い切ってLGBTQの講演活動をスタートさせ、その選択が私の人生を豊かにしてくれています。
私たちLGBTQ就職株式会社のビジョンである持続可能な経営組織づくりを成り立たせるためには、従業員ひとりひとりの意識改革が必要不可欠となりますが、きっと多くの方々は、持続可能な経営組織とLGBTQ施策の関係性に疑問を持っていると思います。
だからこそ私たちが今やる意味があるし、いち早く動き出す組織は生き残っていけると感じています。今回の挑戦も正解にするまでやり続けるだけです。

若者へのメッセージ

固定概念に囚われずチャレンジをすることをおすすめします。その経験を通じて様々な価値観に触れ、自分の可能性を広げて欲しいです。
私の場合、20代の大半を自身のセクシュアリティを受け入れる時間に費やしました。性別適合手術を受け、戸籍変更し社会的にも男性として生活できるようになるまでは、正直苦しい時期でした。
ただ、その過程で自分を受け入れるためにアメリカ留学や講演活動、起業など様々な経験をすることで、様々な考え方に触れ、実はトランスジェンダーに生まれたことは物凄いチャンスなのかもしれない!と見方が180度変わりました。
つまり、困難や障害と捉えていることも見方を変えればいくらでもチャンスに変えていけます。
是非、可能性に満ち溢れた10代、20代の方々には、社会の固定概念をも取り払って新しい風を吹き込んでいって欲しいと思っています!