Kita Masatoshi

喜多 雅敏

株式会社ケイパック 代表取締役 https://www.kpac.co.jp/

現在の仕事についた経緯

弊社はもともと私の祖父が「喜多紙業株式会社」として昭和25年に設立した会社で、父が2代目、私が3代目の代表となります。
事業承継については、特別な話し合いがあったという記憶はなく、物心ついたときから自分が後継者になることを当然のこととして受け止め、何も違和感を持つことなく育ってきました。
思えば、我が家は祖父も含めて食卓を囲むような環境にあったため、普段の生活を経て、うまく“洗脳”されたのかもしれません。
したがって、大学卒業後はすぐに弊社へ参加し、少しの間現場研修を行った後は、ずっと営業職に従事してきました。
代表交代を経て社長の座に就任したのは、34歳のときです。
今振り返ると就任直後は、社長業とは何なのか、その重みをまだよくわかっていなかった気がしますが、自分なりに懸命に歩んできた結果として現在があると思っています。

仕事へのこだわり

化粧箱(パッケージ)は、食品、物流、雑貨など、幅広い業種のお客様からニーズがあるものです。
その点においては、お客様がそのまた先のお客様に届けたい想いや、理想とするイメージを汲み取りながら、パッケージという形として共に築き上げていく工程を最も重視していますし、またこの仕事の醍醐味でもあると考えています。
特にメーカーのお客様については、ダイレクトにそのこだわりをお伺いできるので、大変な面もありますが、非常にやりがいがあると感じます。

今後の目標

この数十年だけを振り返っても、世間では大きな技術革新を経てポケベルからPHS、携帯、スマホと変化を遂げ、「決してなくならないだろう」と思われていた商売があっという間に消えてしまうような事態も多くありました。
そう考えると、弊社の紙製化粧箱の専門メーカーとしての立場も、このままずっと継続していけるとは言い切れないところがあります。
たとえば、お客様が各自でパッケージを製造できるような技術革新でも起きれば、たちまち弊社の経営は立ち行かなくなるでしょう。
そのような考えから、約8年前より別の柱となる事業を始めたいという思いを抱えてきました。
特に、弊社は長年お客様の資材をオーダーメイドで提供する仕事を行ってきたため、新規事業では、100%自社から発信を行えるようなもの、なおかつ既存設備が活用できて、少ない投資で行えるようなものを作りたいと考えていました。
そこで事業コンサルタントとして、ペット業界に造詣の深い先生とタッグを組ませて頂き、猫のためのグッズを展開する完全オリジナルブランド『neuneko』の立ち上げに至りました。
現時点では一通りの準備が完了したところですので、今後は商品の販売にまず注力し、その動向を見ながらクリアすべき課題に柔軟に対応していく所存です。

若者へのメッセージ

自分の子供達も含め、最近の若い人達には、欲がない・少ないというイメージがあります。
私達の世代はどちらかと言えばあらゆる欲が大きく、また、その欲をモチベーションとして生きてきました。
もしかすると時代の影響もあるのかもしれませんが、個人的には、若い方にはもう少し欲張りになって生きてもらいたいなと思います。