弊社は1991年に創業され、現在まで設備工事業を行っています。
私は20代の頃、全く異業種の飲食の仕事に従事していましたが、父親から家業の長田工業所で働かないかとオファーを受け、入社に至りました。
当時の私は夜勤が多く、子供の教育のためにも日中働ける仕事に移った方がいいかもしれないと考えたことが主な動機です。
そこから一般社員として修業に入ったのですが、途中には理不尽な思いをすることも多く、「このような状態では今後若い人達が会社へ定着しづらいだろう」という危機感から、会社を一新したいという思いで社長を交代したい意向を直接父に伝え、数年後に代替わりをしたという流れです。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
仕事観については年齢によって変化を遂げてきたと感じます。
20代の頃は、仕事はただお金を稼ぐためにしなければいけないことという感覚でした。飲食業は結果的に楽しい仕事ではありましたが、どんな仕事がしたいのか、仕事を通じてどうなりたいのかという考えは全くありませんでした。
これが30代になると、子供に誇れる父親になるために、もっと大きな人間になりたいと思うようになり、現在40代になってからは、自身の子供だけでなく、弊社で活躍してくれている若い社員達に「社長のようになりたい」と、憧れてもらえるようなリーダーになりたいと思うようになりました。
そのように自分自身がより人として信頼される人間になり、ひいては信頼を置かれる仕事をするためには、正しい判断基準のもとに仕事を進めていかなければいけないと考えています。
また、少し前までは自身も作業に入り、従業員と同じ目線で仕事をすることに重点を置いていたのですが、経営者としてはやはり社員達の先頭に立ち、会社の先を見据えながら走っていく存在にならなければと、働き方や考えを改めたところです。
ひいては会社の現状を把握し、理想の未来に達成するためには何が必要かを基準としながら、社員達が働きやすくなるような環境、福利厚生の充実にも努めるなど、なるべく視野を広げて取り組むようにしています。
今後の目標
今後も変わらず作業員達が安心して働けるよう環境整備に努めると共に、生産性の向上に寄与し、さらには会社としての発展を通じて納税額の増額や雇用創出などの面で地域貢献度No.1の企業を目指すということが弊社の目標です。
福井県は有効求人倍率が高く、特に若い方のリクルートが難しい傾向にありますが、その点においては現在、鉄工所をテーマパークに見立てた「IRON PLANET」を立ち上げ、職人の指導のもと、溶接体験を行ったり、ワークショップでモノづくりをしたりと、弊社の存在や事業、およびこの業界を知ってもらうためのきっかけ作りに取り組んでいるところです。
同業他社の皆様からも、「自社のPRのために独自の溶接体験場を作りたい」というお声を頂いたことで「IRON PLANET」をフランチャイズ展開し、弊社以外では現在全国で5ヶ所、来春までに2ヶ所新設される予定をしています。
今後は47都道府県に各1カ所ずつ同様の施設を立ち上げ、若い世代の業界参入の糸口となればと思います。
若者へのメッセージ
皆さんにお伝えしたいことは2つあります。
1つは時間の切り売りをするともったいないということです。
これは私自身が学生時代や20代の頃に、目先の時給に捉われて「自分の値段が1時間でいくらか」といった働き方をしていたこともあり、特にそう思います。
今私があの頃に戻れるなら、もっと先の目標を見据えて一心に努力し、そのためにこそ時間を有効活用していたはずです。
2つ目は、矛盾するようですが、たとえ無駄な時間を過ごしてしまったとしてもその経験も後には役に立つということです。よって、「あのとき時間を無駄にしてしまった」と嘆く必要はありません。
その過去があるからこそ今の自分があると自信を持って、今やるべきことに取り組んでいってください。
