大井高等学校卒業。輸入住宅を作る会社に入社したが一年で辞め、京都の社寺専門の会社に就職して6年間修行。その後、地元に戻り一般住宅の会社で8年勤務、さらに地元の別の社寺で仕事を学び、35歳で独立。古来より受け継がれいる日本に最も適した建築、伝統工法の住宅を手掛けている。
略歴
現在の仕事についた経緯
昔から大工という世界に憧れていました。中学生の時に一度、同級生の大工の親父さんの所でアルバイトをさせて頂いたことがあります。その際に、騒音問題があるという理由で、夏場は窓を閉めて仕事をしていました。その経験が余りにも辛かったこともあり、大工を一度断念しました。
高校生になり、映画のバックドラフトを見て、消防士の試験を受けましたが、就職難の超氷河期時代だったため落ちてしまいました。その後は専門学校に行って消防士を目指そうとしましたが、親とケンカをして行くのを断念。
「やっぱり、大工かなと」思い、始めは輸入住宅を手がける会社に就職しました。テレビ番組「知ってるつもり」で法隆寺を手掛けた宮大工の西岡常一さんを見て、「そうだ京都に行こう」と思いました。それで京都に行きました!
仕事へのこだわり
日本建築の素晴らしさは、日本の風土に合う様に造られているところです。地震が多い日本だからこそ、地震を揺れて逃がす、柔構造で出来ているのです。地震の力は凄いです。先人はその力には勝てないと感じたので柔構造にしたのでしょうね。
太古の昔からその様に作られていましたが、明治、大正ぐらいから西洋建築が登場しました。西洋は地震が少ない為、ガチガチに固める剛構造なのです。今はその剛構造が主流です。
更に悪い事に、ここ10年前ぐらいから社寺建築の世界にも剛構造が取り入れられるようになりました。今は日本全国のお寺や神社も軒並みに、耐震補強という工事が行われています。柔構造から剛構造に変える工事です。100年200年経って地震が来て倒れなかった建物にも、工事を行なってしまっています。現場の大工さん達も気付いてはいるけれど、建築基準法という、日本建築に合っていない法律がある為に従わなければ行けません。
これは、どうしても変えないと行けない法律で、この法律がある為に、家が倒れるのです。結果亡くなる方々もいます。本来の日本建築なら守られる方々も守れなくなっています。
私は、金物を使わない、昔ながらの伝統工法の住宅を手がけています。ただ、伝統工法の仕事は余り無いので、なんでもやります。
若者へのメッセージ
最近は、世間に合わせる人が多いと思います。
一般的には、昔ヤンチャだった人も社会に適応しておとなしくなりますよね。結果、ルールを守って生きていきます。そのルールは間違ったルールも多いので自分の感覚を磨きましょう!
磨く為には、男は仕事!働き方改革と言っていますが、やっぱりトコトン汗水垂らすのが良いです。トコトンやって、怒られて気付けるものがあると思うので、仕事で自分を磨きましょう。