福岡県立九州歯科大学歯学部卒業。兵庫県、千葉県、東京都の歯科医院勤務を経て、2021年大阪市北区に開業。SNS等を通じて歯と歯の神経を残す事の大切さを伝えている。厚生労働省臨床研修指導医。
略歴
現在の仕事についた経緯
歯科医師にもいろいろなタイプがありますが、私は「必要最低限の治療で歯を守る」ことが仕事です。
たくさんの患者様の歯を見てきて、不要でやりすぎと思われる治療が、患者様の歯の健康を壊していることに気づきました。歯の健康を失うことが、患者様の体の健康、生活や人生に影響することもあります。
そのようなことにならないように、必要最低限の丁寧な治療で歯を守り、患者様の人生を支えようと思いました。私の思いを患者様に伝えるためには自分が代表にならないといけないと決意し、生まれ育った大阪市で歯科医院を開業しました。
仕事へのこだわり
歯と歯の神経を守ることにこだわっています。また、保険治療、自費治療で区別せず、医療として患者様の歯に向き合って治療しています。
歯科医師になりたての頃は、インプラント治療がしたいと思い学んでいました。
そのうちに、虫歯や歯周病で状態が非常に悪い歯でも、丁寧に治療すれば抜かずに残せる可能性があると気づきました。それには精密な検査と治療が必要で、顕微鏡(マイクロスコープ)を使った治療を学びました。
そのおかげで、状態が非常に悪い歯でも残せる可能性が高くなりました。また、虫歯の見落としや見間違えが少なくなり、最低限の治療で患者様の歯の健康を守ることができるようになりました。
顕微鏡などの器材の発展により、昔では残せなかった歯が残せるようになりました。しかし、現代では歯を残す治療を保険治療では行わずに、自費(保険がきかない)治療で行う傾向になってきていて、私はそれに違和感があります。
これは、状態が悪い歯を保険治療で残す事は労力と時間がかかるにも関わらず、報酬が少ないことが原因だと思います。経営が成り立たない可能性があり、自費治療で行う歯科医院が増えている事に理解はできます。
自費治療では保険治療よりも質の高い治療が受けられますし、当院でも行っています。しかし、経済的に余裕がある方だけが歯を残せる、ということにはしたくありません。保険治療でも歯医者が丁寧に治療すれば残す事は十分可能だと思っています。
歯科医院の代表である以上、経営のことは常に考えないといけませんが、歯を治療する時は医療人として向き合い、患者様にとって良いことを優先して行っています。
若者へのメッセージ
現代は、顕微鏡治療やインプラント治療、マウスピース矯正など最先端の治療が学べます。若い頃は治療の技術をたくさん学ぶべきです。そのうちに、本当に自分がやりたい治療は何かということに気づく時が来ると思います。それに忠実に従って、歯科医師人生を送れば楽しいものになると思います。
ほとんどの患者様が求めていることは、必要最低限の丁寧な治療だと私は思います。最先端の治療を学ぶことは良い事ですが、歯科医師と患者様の気持ちにズレがないか常に意識しないと、信用を失ってしまいます。
目の前の利益よりも本当に患者様にとって良いことは何なのかを考えた歯科医師が増えることを願っています。