Mabuchi Masanori

馬渕 雅宣

株式会社ハイパーブレイン 代表取締役 https://www.h-b.co.jp/

現在の仕事についた経緯

大学卒業後は学習塾を経営していたのですが、生徒数の激増に伴い、これはいけないということで思い着いた策が、当時はまだ珍しかったコンピュータの導入でした。
ソフトウェア開発を始めたのも、このときに学習内容をチェックできるようなソフトウェアがあれば便利だと考えたことから端を発しています。
その後、学校向けに弊社のソフトウェア販売や、ひいてはその操作方法を先生方に研修させて頂くという形で、新しいビジネスに乗り出していきました。
民間向けのゲームソフト開発にも着手するようになり、全国規模での販売も予定していましたが、阪神淡路大震災の影響ですべての計画は白紙に。莫大な負債を抱えてしまった会社を休眠させることにしました。
その4年後の平成11年、これまで蓄積してきた「ICTを教育に活かす」ノウハウを活用し、教育分野に専念して事業に取り組むべく弊社を設立。
日々の雑務に追われ、生徒としっかりと向き合う時間を確保できない日本の先生方のために、「先生を子供達に返す」をスローガンとし、ICTによる業務効率化や操作方法からトラブルまでトータルサポートするICT支援員の派遣、最適なソフトウェアのご提案など、教育の情報化にまつわるさまざまなソリューションを提供しています。

仕事へのこだわり

私が最も大切にしているのは、仕事とは、人に喜んでもらえるような「能力」と「人間性」を作るための場であるという考えです。私はこれを「人間主義的な経営」と呼んでいます。
人に喜んで頂くには能力と人間性、どちらが欠けてもいけません。むしろ人間性の方が重要なくらいで、「どうしたら人に喜んでもらえるだろうか」「相手にどのような印象を与えられるだろうか」という意識や感性を磨いていくことによって人は大きく成長しますし、結果として「仕事ができる人」になります。
また、社員の皆さんにも伝えていることですが、「失敗」は存在しません。失敗とは、物事を諦めたときに起こります。要は、成功するまでやり続ければ失敗は生まれないのです。
したがって、ピンチが到来しても、それは自分にとって必要なものであり、人間性や知恵を養うチャンスだと捉えて、誠意を持って対応していくことです。
たとえばお客様に何らかのご迷惑をかけたときにも、しっかりとした能力と人間性、そしてチームワークを発揮することで乗り越えることができれば、お客様からもより信用が増す結果となり、ひいては成功に繋がると思います。

今後の目標

弊社を創業した当初は、「学校でコンピュータが1人1台あてがわれるようなことはまずない」と誰もが口にしていましたが、私はコンピュータが教具に代わる時代が来ると信じ続け、まさにそのような時代が到来した今日に至っています。
しかしこの時代は良い面ばかりでなく、先生方が生徒達のデバイスのトラブル対応に追われるという負の側面もあるため、私達の仕事は今後よりニーズを増していくと推測されます。
したがって、今後実施されるだろう1校に1人ずつのICT支援員の配置に備え、各支援員のスキルの標準化や、地域内のトラブル内容の共有を行える仕組みを整えていく所存です。
また、私どもは業界のトップランナーを自負していますが、最前線を行く者であれば当然、最先端のスキルを習得し、全社員のレベルを常に高く保っていなければなりません。
そのためには、社内教育にさらに注力し、そして社員が一丸となって「先生を子供達に返す」という同じ目的に向かっていかなければならないと思っています。

若者へのメッセージ

繰り返しになりますが、仕事は人に喜んでもらえるような「能力」と「人間性」を養う場です。
そういう気持ちで、ぜひ日々の仕事に取り組んで頂きたいと思います。
また、物事を継続する限り、失敗はありません。諦めたときが失敗なのです。
むしろその失敗に見えるようなピンチは、あなたを磨いてくれる貴重な砥石だと捉えて頂きたいです。