Maeda Takeshi

前田 健

株式会社美東電子 代表取締役 https://manafarm.jp/

現在の仕事についた経緯

学校を卒業後、さまざまな仕事を経験してから、祖父とおじ、そして父が守ってきたこの会社に入ることを決意しました。
事業内容は代々変わらず、製造業の請負を中心としています。
私の代になってからまず行ったことは、現在の企業理念である「自分の幸せを願い、叶えるために人の幸せを手伝う」を明確に打ち出したことです。
人は一般的に自分が幸せになりたいがために仕事をすると思いますが、幸せになるためにはまず人に幸せになってもらわなくてはいけない、それを手伝うことが仕事であり、ゆくゆくは自分の幸せとして返ってくるんだという従業員達へのメッセージを込めたつもりです。
これまでは「会社は利益を出さなくてはいけない」という根本を従業員達となかなか共有してこれなかった部分があるので、このように「幸せ」を仕事に絡めることで、社員1人1人が仕事への向き合い方を考えてほしいといった思いもありました。

仕事へのこだわり

仕事を「幸せ」に繋げていくためには、お客様にどうやって喜んでいただくか、そのために自分たちは何ができるのか、という視点を持つことが最も重要だと思います。
お客様から預かった仕事を次の工程に受け渡すまでの細かな作業1つ1つにおいても、会社にいる意味についても、とにかく「何のために」という理由を振り返ることが大切です。
そしてそれは先述の企業理念の通り「自分の幸せのために」というところに帰結するはずです。
要は、ただ目の前の仕事に追われるのではなく、いかにその原点と先を見つめられるか。
そんな視点を常に持ってもらえるように牽引することが代表としての責務と捉えています。
また、なるべくすべての事業部に顔を出すことも心がけていることの1つです。
これで全従業員から「あの人は…?」と言われることなく、「美東電子の社長」としてきちんと認識してもらえているものと思います。

今後の目標

世の中の流れも相まってなかなか苦しい状況にある弊社ですが、それでも自分達の努力できる範囲をしっかりと見定め、先の3年間で現在の売り上げ約5億円を8億円程度まで引き上げられたらと考えています。
その地点まで到達できれば、社員達と十分な喜びを分かち合える会社になれるのではないかと思うのです。そのためには、社員1人1人が同じ目標を自分ごととして意識できるような体制を強化していかなくてはなりません。
これは製造業という業界特有なのかもしれませんが、何かが起きた際に自分以外の人・状況のせいにしがちな他責思考や、チーム一丸となって何かを成し遂げようという意識がいまいち低いことなどは現状の課題です。
社員達の基本姿勢が受動的なものでは、決して高みは目指せません。
その「やらされている感」を払拭し、いかに自責思考を浸透させられるかどうかが、今後の分かれ目になるでしょう。

若者へのメッセージ

どんな仕事に就くにしても、なぜそこで、何をしたくてその仕事をしようとしたのかという柱はしっかりと据えておいた方がいいと思います。そうでなければ、物事はなかなか長続きしません。
そして1度は就こうと思った仕事であるなら、少なくとも好きになる努力はした方がいいと思います。「好きな仕事をしている人」は、初めからやりたかった仕事に就けた人と、とにかく入ってみてやってみたらその仕事を好きになった人の2パターンに大別されると思いますが、なんにせよ仕事を好きにならないと能力は上がりませんし、望む成果もなかなか出せないものです。
せっかく就いた仕事であるなら、「好きな仕事をできている」という状況を作り上げるためにも、好きになる努力をしてみましょう。
そうすれば、「あのときああしていればよかった」という後々の後悔も避けられるはずです。