Matsushita Masayuki

松下雅征

株式会社サイルビジネス学院 代表取締役 https://sairu.school/

略歴

1993年生まれ。東京都の公立中学校卒業。早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は7万件以上。新卒で教育系上場企業に入社。マーケティング部門立ち上げを担当。2020年、コンサルティング会社の才流に入社。新規事業開発を担当。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。ゼロから起業を学びながら高校卒業できる通信制オンラインスクール「サイル学院高等部」を創立。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して、学院長として学校経営に従事。著書「マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談」(すばる舎)。1児の父。

現在の仕事についた経緯

私は2022年4月、一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「サイル学院高等部」を創立しました。創立の背景には、自分のやりたいことではなく、偏差値で進路を選び後悔した経験があります。
小学生のとき「何で勉強しなくちゃいけないんだろう」と思っていました。中学生になると幸いにも自分なりの勉強方法が見つかって成績は上がった。でも、楽しいと思ったことはなかった。大学進学後、これまでの時間を振り返ってみると、学校のテスト勉強に使っていた時間は長いのに、正直内容は覚えていない。一方、自分が学びたいと思って学んだことは今でも覚えている。好奇心から生まれる学びじゃないと、自分の中に残らない。せっかく学んだのに、自分の中に残らないのはもったいないと感じた経験が、本校を創立した理由の1つです。

仕事へのこだわり

相手と自分の解像度を高めることを心掛けています。相手に応えるだけでは御用聞きになる。自分を押し付けるだけでは、ただのわがままになる。相手と自分の重なりを見出すことで、いい仕事が生まれると考えているからです。そして解像度を高めるためには、深さ、広さ、構造、の3要素を知ることが必要です。
深さを知るためには、なぜ?を突き詰めることが必要です。例えば相手が「〇〇がほしい」と言ったことに対して、「それはなぜか?」を繰り返し問い、表層の言動ではなく深層の想いを理解することです。
広さを知るためには、異なる切り口を検討することが必要です。例えば相手が「(Aという状況で)〇〇がほしい」と言ったことに対して、「Aではなく、Bの状況ならほしいですか?」のように、特定の観点ではなく複数の観点で理解することです。
構造を知るためには、時間を意識することが必要です。例えば相手が「〇〇がほしい」と言ったことに対して、「いつからほしいと感じるのか?」「〇〇の前や後にほしいものは何か?」のように、物事を点ではなく線で理解することです。
自分自身の仕事を振り返っても、上手く行かなかったときは、解像度が低いまま仕事を進めたとき。深さ、広さ、構造、いずれかの把握が欠けていたときだと思います。特に、新人時代は自分の解像度ばかりを高めて、相手の解像度が低いことが原因で失敗した経験が多々あります。仕事は相手がいてこそ成立するもの。自分に対する解像度は仕事を重ねていくうちに勝手に高まる部分もあるので、今はまず、相手の解像度を高めることを心掛けています。

若者へのメッセージ

誰かに必要な学歴や資格は、あなたには必要ないかもしれません。ないよりあった方がいいことは、世の中にたくさんあります。ですが、あなたにとって必要かどうかは、進路やキャリアの選択において何を大切にしたいか、というあなた自身の進路選びの軸次第です。
進路選びの軸は、机上の勉強では見つかりません。とりあえず何かやってみる。挑戦する必要があります。
挑戦すれば、必ず失敗します。失敗は怖いです。ですが、私はある時から、失敗してもいいんだ、と思えるようになりました。考えが変わったきっかけは、「人生においては、打率よりも打数を上げることに価値がある」という考え方を知ったことです。要するに、4回打席に立って4本のヒットを打つより、100回打席に立って、80回アウトでも、20本のヒットを打つ方が価値があるということです。

失敗するのは怖いですが、あなたの失敗は誰も気にしていないことがほとんどです。人は自分に最も興味があるので、自分の失敗は気になりますが、他人の失敗はほとんど見ていません。「1年前、まわりの誰かが失敗したことを3つ思い出してください」と言われても、ぱっと出てくる人は少ないのではないでしょうか。他人の失敗に関する興味なんて、その程度。ですから、何回失敗しても大丈夫です。まわりと違うことを気にせず、まずは一歩、自分なりの挑戦を始めてみませんか。