Mitsuhashi Kaoru

三橋 馨

株式会社ステラ 代表取締役 http://www.stella-kudan.com/

略歴

都内の看護学校を卒業後、大学病院や癌専門病院などの病院勤務を経て、製薬会社のCSR事業に関わる。訪問看護ステーションの管理者として勤務。2011年に株式会社ステラを設立。2012年に訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を開設し、事業所の所長、訪問看護の管理者、会社の代表取締役を務める。会社設立後、大学院へ進学しヘルスケアMBAを取得。某大学にて地域指導教授も務める。

現在の仕事についた経緯

幼少期の父の他界をきっかけに看護師を目指し、大学病院を含む中小規模病院にも勤務をしました。病院勤務をしている時には、退院がゴールであり、その後の自宅での生活の事は考えられませんでした。
しかし、製薬会社のCSR事業に関わる中で、在宅療養されている患者さんとお話しする機会があり、在宅医療の存在を再認識。訪問看護の世界に入り、そのまま経営にものめり込んでしまいました。

仕事へのこだわり

幼少期に父が他界した事を契機に看護師を目指していた為、他の職業を考える余地もありませんでした。元々、好奇心は旺盛なタイプでしたが、他の職種へ目が向く事はなく看護師一筋で過ごしてきました。看護師とひと言で言っても、様々な分野で活躍されている方がおり、私自身もどの分野で活躍できるのかを模索している時期がありました。
しかし、分野はわからなくとも「目の前の人をサポートできる人になりたい」という思いだけはぶれませんでした。臨床をはじめとする様々な場面で、困っている人が来る病院ではなく、病院などに行かず自宅にいる人のところへ行き、ケアができる事に大きな充実感を得る事ができました。そして、自宅で待っている人々の需要も多い事を実感しました。そんな事から、弊社では「その人の望む生き方(死に方)をサポートする」事をモットーにしています。

看護師、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員(ケアマネージャー)が、目の前にいる人の望む生き方に、精一杯協力する事に尽力しています。誰もが同じ生き方、死に方を選択する訳ではありません。大家族で育ち、とにかく人がいる事で安心する人。1人の時間が大切で、あまり構って欲しくない人。いつも最前線の治療を受けたい人、もう治療は受けたくない人。それらの方々のお話しをきちんと聞き、何をしたくて、何をしたくないのか、どんなサポートをすれば、その人にとって最善なのか、を考えてサポートします。
肺癌で酸素吸入をしている方が、どうしてもタバコを吸いたい時に、どうすれば安全にタバコを吸う事ができるのかを一緒に考え、対策を練ります。在宅医療、介護は通り一遍のものではなく、個人が尊重されるべきものだと考えますので、それぞれの職種がどのように対応する事で、自宅で不安なく過ごせる力添えができる存在でありたいと思っています。

若者へのメッセージ

「自分はどんな事に合っているのかわからない」とよく耳にします。正直、私もわからないままでやっています。ただ、「目の前の人が笑顔になってくれると、私も嬉しい」という思いだけで、どんな仕事が良いのかはわからないままでした。
模索するべく、色んな事に挑戦していると、「もっと知りたい」「もっとやってみたい」と思う事が少なからず出てくるものです。そこに、その都度フォーカスして深掘りしてみると、何となく道が見えてきます。ずっと先の道は見えなくても、ちょっと先の道が見えれば、あとは自分で好きなように道を作っていけば良いのです。
あまり力まずに、もう一人の自分と相談しながら道を探り、作って行ってください。絶対の正解なんてないのですから、大いに失敗していきましょう。あれをしておけば良かった、という後悔を残さない為にも、興味があればどんどん挑戦して欲しいと思います。