愛媛大学法文学部出身。地方紙の記者、マーケティング会社、地域づくののコンサルタント会社などを経て、2003年5×緑 (ゴバイミドリ)プロジェクトをスタート。2013年株式会社ゴバイミドリ設立。代表取締役就任。ウーマンオブザイヤー2010受賞。
略歴
現在の仕事についた経緯
フリーランスになり、新しいプロジェクトを立ち上げようとした時「ささやかでも良いので社会に役に立つことを」と考えました。コンサルタント時代に、日本を代表する緑化ビル「アクロス福岡」の設計者でいらっしゃる田瀬理夫さんとお仕事をご一緒する機会が多く、田瀬さんが開発された技術を多くの人が使えるようになれば「街に緑が増えていいな」と思ったことがきっかけです。
最初に展示会を開き、「面白い」と感じた設計の方から依頼が来るようになりました。
仕事へのこだわり
5×緑 (ゴバイミドリ)は一般的には緑化事業に分類されます。
プロジェクトをはじめた当時は「街に緑が増えるといいな」という牧歌的な思いだけがあって、緑化を達成する過程でゼネコンが登場することや、建設業として許可を取らねばならない事業であることさえ理解していませんでした。
緑化事業については全くの素人です。
無謀な話ではありますが、今振り返ると「知らないこと」が私たちの武器になったように思います。
最初から建設業の色々がわかっていたら尻込みしただろう、ということもありますが、「知らないこと」で「私たちが私たちらしくいられた」と思うのです。
「日本の在来種の植物にこだわり、街に季節感のある緑を増やす」ことが5×緑のテーマです。
いわゆる業界の固定概念や様式に捉われることなく(何しろ知らないので)、プロジェクトのテーマを大切にすることができましたし、伝えることもできました。
あとは、目の前のことを一つ一つ取り組んでいくだけ。
コンサルタント時代にプロジェクトマネージメントも少しは経験していましたので、周りのプロの力を借りると同時に、彼らの仕事の環境をつくることを役割と考えて続けてきました。
若者へのメッセージ
「若者たちへ」と言われると、まず謝らなければと思います。
私たちは、環境面でも、経済面でも多くの負の遺産を後継世代に残してしまいました。
建物は人がつくりますが、植物だけは人の引いた敷地境界を越境していきます。
その姿は、たとえプライベートな空間に植えられたものであっても、パプリックな価値を持つことを象徴しているように思えます。
成す仕事の結果が、社会にどのような影響をもたらすのか、そのような視点を持つことを大事にしなければならなくなっています。
若者のアドバンテージはの一つは、そのしなやかさだと思います。
どこかで聞いたような言葉やよくあるステレオタイプの考えに回収されることのない、しなやかで自由な言葉と発想を大切にしてください。
そして、できるなら良きバトンを次の世代に…。