Miyazaki Koichiro

宮崎 晃一郎

株式会社ミューシグナル 代表取締役 https://www.musignal.co.jp/

略歴

東北大学工学部機械工学学科卒、イリノイ大学アーバナシャンペイン校修了、モトローラの半導体エンジニアとしてキャリアをスタート。その後オーディオ機器開発を行うベンチャー企業を設立し、世界20ヵ国に展開したポータブルDJ機器「GODJシリーズ」やクラウドファンディングで約1億円を調達したフルデジタルスピーカー「OVO」など革新的なオーディオ機器を開発してきた。

現在の仕事についた経緯

もともと音楽にはあまり興味がありませんでした。笑
半導体の設計エンジニアとして従事していた頃、開発した半導体がパチンコ業界に採用されました。まったく思ってもみなかったところからのオファーでした。当時、我々が開発した新しい音楽の再生方式がパチンコ業界のニーズに合致し、主流となっていた芸能人+パチンコ台というシリーズに次々と採用されていきました。
その半導体自体は通信や画像処理などにも使えるものなのですが、たまたま音楽(音データの出力)に採用されたことが、私が音響機材を開発し始めたきっかけです。
その後CDプレイヤー、カラオケ機器、携帯オーディオプレイヤーなどにその半導体を展開して行き、最終的に世界初のスタンドアロンDJマシン「GODJシリーズ」の開発に繋がりました。

仕事へのこだわり

自分たちが作りたいものというよりお客様の想いを我々のほうで実現することを大切にしています。展示会、製品発表会、SNS等でお客様のリアルな声を徹底的に収集し、お客様に「人生の宝物」と思って頂ける製品になるよう、外観デザインや部品の耐久性など丁寧に設計を進めていきます。
10年前に発売したGODJ(スタンドアロンDJマシン)や、5年前に発売したOVO(USBバスパワースピーカー)などが今も現役で動いている姿を見るのは最高ですね。
弊社の特徴は「自社内での開発にこだわる」という点です。出来合いの商品を買ってきて製品化したり、開発を外注したりという事がほとんどありません。心臓部にあたる半導体の選定から回路設計、基板設計、その上にソフトウェアを載せて動かす所まで可能な限り自社内で行っています。ハードからソフトまで一気通貫で開発できるチームだからこそ完成度の高い製品を作り上げる事ができます。
最新作は10/21よりクラウドファンディングを行っている天然木スピーカー「LOG(ログ)」です。ロッジに積まれた丸太をイメージしたLOGは、天然木を5軸NCルーターで削り出す1点物。熟練の木工技術が生み出す豊かな音響、国産半導体「Dnote」が実現するデジタル本来の音質、リモコンや物理ボタンによる快適な操作性など、とにかく品質と性能に拘ったこれまでの開発資産の集大成です。

若者へのメッセージ

今後ものづくりに挑戦していこうとする方には安易に海外の工場に投げないでほしいです。
海外に発注してしまえば安く簡単に作ることはできます。しかし、ものづくりは、自分で最初から最後まで1点1点確認しながら作っていく方が断然面白いです。日本の工場には様々な技術が蓄積されており、その工場の皆様と一緒にものづくりを行う事で多くの技術を学ぶことができます。
ぜひそうやってメイド・イン・ジャパンの製品を作り上げて欲しいです。