Mochizuki Yindigo

望月 インディゴ

株式会社YINDIGO&Co. 代表取締役 https://yindigoam.com/

略歴

早稲田大学第一文学部で美学美術史を学んだ後、都市計画会社へ。ミラノのドムスアカデミー大学院でデザインとブランディング修士課程を修める。ヨーロッパと日本を行き来し、企業のブランド構築・商品開発・広告制作を行うクリエイティブディレクター。クライアントは、メルセデス・ベンツ、ジョージ・ジェンセン、オリンパス、ニューバランス、ビームス、スバル、カンロなど。
ウォルト・ディズニー・カンパニーでのライセンシングの経験と日本美術の学芸知識から知財ビジネスに長けている。地域産業をグローカルブランド化した実績多数。
2015年から自身のブランドYINDIGO A Mを展開し、究極の旅着と香りで世界の目利きを魅了している。

現在の仕事についた経緯

たまたまです。成り行きに任せて仕事をさせてもらっています。一度も就職活動をしたことがなく、紹介された仕事をしているうちにやりたいことが次々と現れて、興味の赴くまま駆け抜けて今に至ります。
クリエイティブ業に就こうと決めたきっかけは、中学卒業のお祝いとお年玉を受講料に注ぎ込んだ「広告学校」が大きいと思います。雑誌『広告批評』を発行するマドラ出版が主催した社会人向けの講座で、糸井重里さん・浅葉克己さん・秋元康さんなどなど錚々たる講師陣がコピーライティングや絵コンテを添削してくれる授業もあって、当時15歳だった自分に容赦なくプロのクオリティを突きつけてくれる眩しさに、鳥肌が立ったのを覚えています。

仕事へのこだわり

新しいことに挑戦するのが好きで、いろんな分野に首をつっこみ、知力・体力・経済力的な面で満身創痍なことも多々ありましたが、30年もそんなことを続けていると攻略スピードが上がります。
スピードが上がるとパフォーマンスも上がるわけで、クライアントは喜ぶし、一緒に仕事している人に気を配る余裕も出るし、力を抜いて集中できるから疲れないし、いいこと尽くし。なーんて言うと、オールマイティにかっこいい感じですが、自分が得意なことを見極めたら、自信を持って任せてもらえるレベルまで貫く!で、不得意なところは、誰か得意な人を見つけて全力で感謝しつつ甘える!といった要領でしょうか。
よく、多角的視点を持つことを「虫の目・鳥の目・魚の目」とか言いますが、「UFOの目」も持論に搭載済みです。衛星でもロケットでもなくて、敢えて神出鬼没なUFO。というのも、仕事で求められる新たな視点や突破口やひらめきには、過去から未来を視るフォアサイトより、ぶっ飛んだ未来から現在を視るバックサイトの方が使えるからです。
一方、複眼で現場を視る虫の目を使うときは、関わる人の隠れたやる気を発掘して火をつけて周ります。取引先のスタッフがうれしそうにプロジェクトに参加しているとか、協業の成果をお客様自身がご家族にほめられたと聞く度に、両手でガッツポーズ。
あらゆる仕事を、「なんだろう?面白そう!楽しい!」と惹きつけられる支点・力点・作用点のスタンプラリーに例えていて、そのポイントが現場のスタッフやクライアントにも有効なのかを実験・観察・研究して進化させる、という仕事のスタイルを選びました。寝食を忘れるくらい仕事を楽しむと、効率がめちゃくちゃいいです。

若者へのメッセージ

うーん、大人の話は半分くらい聞き流しておいたらどうかと(笑)。
特に「頑張れ」とかいう謎文化。やりたいことは言われなくても自分で方法を見つけてやりますよね。だから、行動しない言い訳を探している暇があったら、関心が向く方に動いて、やってみて、その中から向いてるか向いてないか自分に聞いてみるといいと思います。仕事にしたいかしたくないか、もね。
あと、色んなところに出かけてみるのはおすすめです。国とか年齢とか分野とか、できるだけ家族や学校とかけ離れた人に会ってみて、違う視点や新しい感覚を取り入れてみる。「知ってる」のと「わかってる」のと「できる」の間には大きなギャップがあって、体験して、挑戦して、できるようになったことや知り合った人が多ければ多いほど、生きる世界が豊かになります。
その時は失敗だと感じたことも「失敗できる」権利だと思えば面白くなる。それぞれの道の先達は、失敗しても笑いながら挑戦してくるヤツに「飛び級」の秘技を伝授してくれる確率が高いです。それも半分は聞き流してもいいけどね。