Nagata Yumi

永田 由美

ひばりES社労士オフィス (永田由美弁理士・社会保険労務士事務所) 社会保険労務士・弁理士 https://www.hibari-es.com/

略歴

大学卒業後放送局に就職し、九州および四国の支局勤務を含めて約18年番組制作の業務を担当した後、著作権管理業務を経験。在職中に社会保険労務士・行政書士・三級および二級知的財産管理技能士の資格を取得し、人事・労務関連の刊行物を出版する会社に転職。記事執筆・編集業務と並行して、セミナー講師やコンテンツ管理も担当。転職先での在職中に一級知的財産管理技能士・通関士の資格を取得し、独立開業準備に入るもコロナ禍でしばらく開店休業状態。この間に、弁理士の資格を取得し、2022年4月より本格的に活動開始。スタートアップで顧客獲得に奔走する傍ら、サラリーマン時代の縁で現在も「全国専門紙誌労働組合共闘会議」で幹事を継続中。2022年5月からは「フリーランスユニオン」にも参画(副代表)。

現在の仕事についた経緯

就職当初は、自分が後に独立するとは全く考えていませんでした。しかしながら、マスコミ業界は過重労働やハラスメントなどが頻発しがちな職種であり、仕事のやりかたに兼ねてから疑問を感じていたことから、労働法令を専門とする社労士に興味が湧いてきました。それで定年前に独立・起業することも視野に入れ、40代で資格を取得しました。
一方で、メディアの仕事は著作権とは切っても切れない関係にあり、自分自身も大学の法学部で知的財産権法(無体財産権法)を学んでいたことから、著作権部配属をきっかけに再度学習を開始。転職後も学習を継続し、三級知的財産管理技能士からおよそ12年ほどかけて、弁理士の資格を取得しました。社会保険労務士と弁理士のダブルライセンスで開業している人が周囲にいないため、職務発明規程などいくつかの接点を軸にしながら、「手探り状態」でビジネスモデルを追求しています。

仕事へのこだわり

放送局のディレクターとして番組制作に携わっていた頃は、取材対象となる社外の人たちへの聴き取り・インタビューであったり、出演等への交渉が仕事の大きな部分を占めていました。
駆け出しの頃は、簡単な取材でも苦労していましたが、あるとき自分が取材対象に向き合う時の態度や姿勢が未熟だったことに気付き、徹底して修正していった結果、仕事に手ごたえが感じられるようになりました。
この時に自分で悩み、考えて取り組んだことがその後の仕事にも影響を与えており、セミナー講師として受講者の疑問に答える時や、コンサルタントとして相談者の話を聴く時に活かされているように感じています。自分にとっては、業務の中で覚えたノウハウや経験値、あるいは資格取得の為に勉強してきたことの他に、「コミュニケーション能力の向上」が、社会人としてスキルアップする上での重要な要素を占めていると考えています。
特に、自分と全く異なるバックグラウンドを持つ人たちを相手に取材や交渉をする仕事を若い頃から経験してきたので、自分の知っている世界だけで仕事が完結しないことが当たり前となり、自分と異なる世代や社会に属する人の考えを理解する思考力・想像力が鍛えられたのは非常に大きな財産になったと思っています。

若者へのメッセージ

若いうちは、自分が頭の中で描いていた進路を思った通りに進めないと、とても不安になる人が結構いるのではないかと思います。自分もそうでした。
ですが、そこで極端に落ち込んだり、性急に自分を否定したりせずに、ちょっと立ち止まってみてほしいと思います。種々雑多な日常の経験の中で、意外なところからヒントが出てくることが、実はたくさんあります。最初はちょっと興味を惹かれた程度のことであっても、それが後に大きな転機を呼ぶきっかけになることだってあります。私も職場で日頃抱いていた疑問が社会保険労務士になるきっかけとなり、仕事や趣味で音楽、映画、本などに触れていたことが知的財産管理技能士や弁理士になるきっかけになりました。
ただ、こうしたことは1日や2日ですぐ結果となって返ってくるものではなく、それこそ10年後、20年後に何かとつながって、「そういえばあれがきっかけだったのか」と後から気が付くものなので、想像はしにくいと思います。ですので、個々の経験がどんな利益をもたらすのかを考えるのではなく、日々の自分の行動を振り返ってみて、その行動に至った時の自分自身の思いを受け止めてみてください。
悩んだり疲れたりした時は、好きなことに没頭したり、何も考えないでゆっくり休むことも大切です。