Nakagawa Ken

中川 健

斎藤マシン工業株式会社 代表取締役社長 https://www.m-saito.co.jp/

現在の仕事についた経緯

弊社は、私の妻の祖父にあたる斎藤啓次郎によって1950年に創業されました。
斎藤家は代々女系の傾向にあり、弊社でも2代目社長は婿に入っています。
まず、創業社長には2人の娘がいるのですが、長女の夫が弊社の2代目に就任し、次女の夫は現在会長職に就いています。
さらに、2代目社長にも娘が2人おり、その長女の夫が現在専務を務めています。
私は前職では米の卸問屋に勤めていましたが、そこで現在の2代目社長の次女にあたる現在の妻に出会い、結婚後に入社し、その後4代目に就任したという流れです。

仕事へのこだわり

何事にも正直で、素直であることが最も重要だと思っています。
弊社は製造業を営んでいますが、部品を作る際は0.01mm単位の緻密な作業が求められ、そこで少しでも誤魔化そうという気が働いてしまうと、後々大変な事態を招きます。
さらに、ものづくりには納期が付き物であり、その点についても、お客様にいい顔をしたいがために適当なことを言ってしまうと、最終的にご迷惑がかかる結果になりかねません。
したがって、何事も正直に、実現可能な納期をお伝えし、承認頂いた納期は必ず守ることを心掛けることが最終的な信頼関係の構築に繋がると考えています。

また、会社にとって最もかけがえのない財産は、最新鋭の機械より何より、日々働いてくれている社員だと思います。
そこで、社員達が1日の多くの時間を過ごす職場を、いかに働きやすい環境にできるかという意識は強く持っています。
例えば、弊社ではタイムシフト制を導入しており、最も早い人で6:00~、そこから1時間刻みで出勤時間を10:00まで変更することを可としています。

導入理由としても、元々は工程が長い加工製品が多かったこともあり、前後の工程をやり易くする為取り入れたタイムシフト制だったものの、他社員に迷惑を掛けなければ家庭の事情等に使用しても良いと社員に伝えたところ「共働きの社員から子供を学校に見送るのにとても助かる!」というような意見をもらいました。その他にも「冬場積雪がある山形では降雪の状況で大渋滞に繋がることもあるため、その時間帯を避けることもでき、働きやすい環境が実現できた。」などの嬉しい反響が多くあり、社員達には軒並み好評を得ています。

今後の目標

1950年からものづくりを続ける当社ですが、作るものは当然、世の中の進化とともに変化しています。創業当時であれば、当時の生活必需品であった農機具を作っていましたが、今では電子顕微鏡の部品や食品関連機械部品、さまざまな分析装置の部品を取り扱っています。
今後もまた作るものは変わっていくと思われますが、人間が生きていく上では必ず必要なものがあり、それを作れる技術が当社できちんと確立できていれば、会社として永続的に発展していけるのではと思います。
したがって、とにかく技術を追及していくと共に、そのためにも社員が働きやすい職場を継続して整えていく所存です。
ひいては弊社の経営理念「明るく・楽しく・元気な職場をつくります」を実現することで、新たな人材を確保しながら、未知の技術にもチャレンジできる土壌を整えていきたいと思います。

若者へのメッセージ

就職活動に臨まれる皆さんにおいては、就職先を決める基準として「大手企業」や「都市部の企業」をあげられることが多いかもしれません。
そこで、山形県で社員51名の会社を営む私から、中小企業の魅力について少しお伝えできればと思いました。
まず中小企業は、社長と社員の関係が近い傾向にあります。
私も社員全員の名前と顔が一致することはもちろん、家族構成まですべて把握しています。
すると、コロナ禍やリーマンショックなど、会社が危機的状況に陥ったときでも、やすやすと社員を解雇などできないという点があります。
また、中小企業での仕事は決まりきっていないところが特徴で、自身がやりたい分野の一部分だけでなく、あらゆる角度から携われるチャンスが多くあります。
仕事時間を充実したものにするには、そのようにやりがいを持って働ける職場に就くことが大切なのではないでしょうか。また、世の中になくてはならないものを作っている会社というのは、意外に地方部に多く散見されます。
ぜひ就職活動の際には、地方の中小企業も視野に入れて、自身が輝ける場所を見つけてください。