Nakagawa Masaki

中川 正樹

株式会社丹後王国ブルワリー 代表取締役 https://tango-kingdom.com/

略歴

鳥取環境大学環境情報学部卒業。新卒で株式会社パソナに入社、株式会社パソナ農援隊に配属となり、2015年にコンサルティング事業部長を務める。西日本最大級の道の駅丹後王国「食のみやこ」の立ち上げを行い、2018年より株式会社丹後王国ブルワリーの代表取締役に就任。

現在の仕事についた経緯

農業高校を卒業し、鳥取環境大学にて地域環境や山間地域の活性化について学びながら自身でもサークルを立ち上げるなど、さまざまな活動をしてきました。就活をする際も、ぜひ農業関連の事業に就きたいと考えていたのですが、「農業」でヒットするのはJAや機械メーカーばかり。
しかし、地方の課題が「人」にあると認識していた私は、検索窓に「人 農業」と入力してみることにしました。するとトップに表示されたのが、新規事業として「地方創生」に取り組んでいたパソナグループだったのです。
そこで2008年、同社に入社し「株式会社パソナ農援隊」に配属されて以降、主に農業関連の人材育成や、農業参入の意向を持つ企業様向けの教育事業を全国の各自治体と協力して展開してきました。
さらに、西日本最大級の道の駅、丹後王国「食のみやこ」の施設再編を担当させて頂き、そのまま同施設の事業会社であり、弊社の前身会社でもある「株式会社丹後王国」の仕事に従事する運びとなりました。
その後2018年、丹後の地域商社としての機能を引き継ぐ形で「株式会社丹後王国ブルワリー」が設立され、私が代表取締役に就任したという流れです。

仕事へのこだわり

企業理念にも掲げている通り、「地域の課題を解決する」ことが最も重視している点です。
そのために私の根底にあるのが、近江商人の「三方よし」の考え方です。
通常のビジネスモデルであれば、売り手と買い手が存在し、極端に言えば「売って、儲かればよし」という考え方が通用することでしょう。
一方、地域課題に携わる私達の場合、地域の方々が「良い」と感じられる事業モデルでなければ、やっている意味はありませんし、持続可能性もありません。
つまり、何かリソースが必要になった場合も私達が単独で動くのではなく、さまざまな方々と協力し、皆が利益を得られてWin-Winになれるような仕組みを作ることこそが我々のミッションなのだと捉えています。
ひいては、地域の皆様と弊社が共に切磋琢磨しながら地域課題を解決していけるような仕事の仕方は、常に意識しているところです。

今後の目標

まずはこの丹後地域が継続的に発展していける町になってもらえるよう、尽力していきます。
その後の展望的なところで言うと、私達が今この地域で取り組んでいる新しい産業を次の世代にも承継し、この「地域商社」を一種のロールモデルとして、他の地域でも役立てて頂ければと考えています。
たとえ私達のコンテンツの一部の中でも、全国の自治体や皆様に知って頂き、「うちもこういうことをすれば、なんとかなるかもしれない」という希望になれば嬉しく思います。

若者へのメッセージ

今の日本は、どの業界においてもある程度のものが揃っている、ある種の「飽和状態」にあると思います。そこで私が思うのは、今後何かを生み出そうとする際に必要な考え方は「0→1」ばかりではないということです。もちろん0から何かを生み出そうという意欲は非常に重要なものですが、既存のものを活かして新しいものを生み出す力が先の時代には求められると思います。
したがって、皆さんには「1+1」「1×1」「1÷1」など、柔軟な発想をもって100へ導いていくことができるような人になってほしいと思います。そのためにも、さまざまな地域のビジネスモデルを知り、あらゆる分野の方とコミュニケーションを取り、そのアイデアとなる情報をたくさん拾っていってください。
ただし、知識や情報ばかりを集めて、良い・悪いの感想しか述べない「コンサルティング脳」には陥らないように気を付けて欲しいなと思います。若い方が当事者意識をもって取り組んでいくことこそが、あらゆる地域で、そして日本で求められているはずです。