Nakama Yu

仲間 優

株式会社キキライフ 代表取締役社長 https://kikilife.jp/

略歴

玉川大学芸術学部卒業後、不動産業・インテリアの道へ。ホームページの管理を任される。結婚を機にWEBデザイナーへ転身。10年以上医療系予約システムを提供している会社に勤め、傍ら古事記の魅力を発信。『ラノベ古事記シリーズ(KADOKAWA)』を出版する。WEBを通して神社の魅力を発信するため、独立。株式会社キキライフを立ち上げた。現在、神社の情報発信サイト『あまはし』を運営。また、神社専門のホームページ作成サービスを行っている。

現在の仕事についた経緯

私が古事記に出会ったのは28歳の時です。祖父がご縁で鈴木貫太郎先生のお世話になっていたこともあり、私は幼いころから戦後の混乱について聞いて育ちました。それにもかかわらず、これまで自分が日本のことについて全く知らなかったことにショックを受けました。古事記の現代語訳本は多数出版されていましたが、難しい内容のものが多く、エンターテイメントとして若い世代が楽しめるものを模索して、ラノベ古事記の発想に至りました。
この活動で沢山の方と触れ合う機会を頂く中、神職様とお話しする機会も増えました。そして神社が経営難に陥っていることを知り、なんとかお力添えできないかと考えるようになりました。これまで予約システムを提供している会社に勤めていた経験を活かし、若い世代が神社へ行きやすい導線を作りたいと考え、神社の情報提供サイト『あまはし』を発案。開発に乗り出すため独立をしました。

仕事へのこだわり

私が大切にしていることは2つあります。「まずはやってみる」ということ。そして「丁寧に寄り添う」ということです。

記紀も神社も歴史が古く、日本が日本である理由といえます。天皇とは何か、神社とは何か、なぜ日本は日本という名前なのか。この千代にわたって常識だった知識を、八千代に受け継ぎたいと考えています。しかし時代に翻弄され、その形が危ぶまれていることに心を痛めておりました。「何かお役に立ちたい」。しかし、多くの先人たちの熱い想いによって受け継がれてきた日本の伝統。いきなりまったくの素人が入り込むなんて、恐れ多いことです。ラノベ古事記の活動を始めたときも恐怖でいっぱいでした。
しかし、いざ発信をしてみると届くのは感謝の声ばかり。「自分の生まれ育った国がこんなに素敵だと知らなかった」「やっと理解できた」「日本が好きになれた」「神社めぐりが楽しくなった」「ありがとう」。もちろん批判的な声や心無い言葉もなかったわけではありませんが、その度にコンテンツの改善を重ね、出版、コミカライズまで進むことができました。この経験からまずはやってみて、丁寧に寄り添いながら知識と心の溝を埋めることができれば、自ずと道は開けると信じることができました。

そして、念願だった神社の御祈祷予約サイト。これまでの経験を活かし、「予約システムで神社への導線を確立する!」という、8年越しに踏み出せた夢…。だったのですが、オープン前に早々にご指摘をいただきまして、神社の御祈祷予約サイト内の予約システムは外して、神社の情報提供サイトとして提供することになりました!さよなら、私の8年構想!(笑)
やはり、そう簡単ではない世界で、自分の配慮不足に猛省するばかりでございます。しかし、細部まで配慮を行き渡らせ、逆風の中、重責を担いながら日本の文化を守ってくださった方々がたくさんいらっしゃるのです。そのお気持ちには、できる限り寄り添いたいと考えています。また今回、ご指摘をいただいたことで、形を変えればサービスを提供できることも学べました。
なんでまたこんなに難しい業種で?といったお声もいただきますが、大好きな人たちが残してくれたものを次の代へ引き継ぐお手伝いに私も参加したいですし、詳しくなくても「何かお役に立ちたい」と、同じ思いを持った人はたくさんいるとラノベ古事記の活動を通して、強く感じています。
だから「まずはやってみる」。難しくても、まずはやってみます。近い未来、多くの人々のかけはしになれると信じて。

若者へのメッセージ

私は、世にいう「成功者」ではありません。ですので、ビジネス観点から見たアドバイスはできません。しかし、このサイトには未来の日本を担う若者が多く募ると伺い、伝えたいことがあります。

「日本を知って、好きになってください」
日本の成功者は海外に拠点を持つ傾向にあります。現状の日本を見れば見るほど、危機感を抱いてしまうからでしょう。気持ちはわかります。閉塞感。不平等で不自由。逆になんで20年以上も不景気でいられるのか、謎すぎる社会のシステム。なんとかして変わらなければ、このまま日本は衰退の一途をたどるでしょう。これを変えることはとても難しいですし、現状を把握している方ほど虚無感を抱えているのではないでしょうか。
しかしこれらの理由から日本を去ってしまう方々の根本にあるのは「日本がどんな国か知らない」というところにあると考えています。戦後、大人の事情があって、日本人は日本の根源について学べなくなりました。「好きになる」ためには「知ること」が必要です。日本で日本を学べないということは、「本当の意味で日本を好きな人」が国内で劇的に減ってしまったことを意味します。歴史の教科書から排除された日本を知ってください。めちゃくちゃに魅力的です。そして、その知識を広めるお手伝いをしてください。本当の意味で日本を知って愛する人が増えれば、日本の空気は変わります。少なくとも、私はそう信じて活動を続けてきました。
現状をすぐに変えることはとても難しいです。しかし、あなたもいつか重責を担える立場になります。準備をして、時を待ちましょう。あなたの「日本をよりよくしたい」という気持ちは日本の未来を変えます。大丈夫です。日本はとっても魅力的な国です。あなたの描いた未来は日本を輝かせます。そうすれば、必ずあなたに返ってくることでしょう。円高・インフレ・好景気として!!!