青山学院大学国際政治経済学部への在学中にフランスブルゴーニュ大学へ留学。新卒でメガバンクの法人セクションに入社し、長野支店と本店勤務の計5年間在籍。その後28歳でフランス系保険会社へ最年少管理職候補として転職。在籍中の2021年7月に精巣ガンが発覚し、その経験が人生を見つめなおすきっかけに。2022年6月に株式会社リシュブルーを創業。自身の事業のみならず高校や企業で講演会をするなど多岐にわたって活躍中。
略歴
現在の仕事についた経緯
銀行員時代に長野県に赴任した経験から、日本酒というものに興味を持ちはじめました。非常に面白いコンテンツである一方、更に色々なことがビジネスとして出来るのではと素人ながら思っておりました。ただ、もともと学生のころから起業や経営というものに関心はあったものの、銀行員でいたその当時は、日本酒で何かビジネスをやろうなんて思ってもいませんでした。
そんな折、「転職して管理職として新しいステージで頑張るぞ」というタイミングでガンが発覚し、「果たして自分が死を迎える瞬間に納得できる生き方とはなんだろうか」と考えるようになりました。偶然にも人との良いご縁があったことから、このリシュブルーという会社を設立するに至りました。
仕事へのこだわり
社会人になって最初の3年間くらいは怒られてばかりでした。大した知識もないし、銀行員が理解すべき社会や経済の仕組みもイマイチわからない。それどころかクライアントが話している内容を理解できないことさえありました。ただ、そんな中で、クライアントの要望であったり、レベルの高い案件や難しい案件が出てきたときに、それに対して「どうやったらそれを実現できるか」を常に意識して考え、行動するようにしていました。
仕事に限らずプライベートもそうですが、何か骨の折れるような事象が発生したとき、大体の事はやらない理由やできない理由、ネックやハードルを見つける方が簡単なように感じます。そしてそれらが必要以上に大きく見えてしまい、なかなか手が伸びないことが往々にしてあると思います。
私自身も最初からそのように前向きな意識ができていたかというと決してそうではありません。銀行員2年目の終わりぐらいに取り組んだ大きな案件の際、当時手伝ってくれた上司の振る舞いやスタンスを見て、そういった意識をするようになりました。
仕事自体のみならず転職や起業もですが、大体何かしらネックとなる部分が存在したり、あるいは外野からのネガティブな意見が飛んでくることがあると思います。それらを理解したうえで、「どうやったらそれを成し遂げられるか」という気持ちが大事なのかなと思い、仕事に取り組むようにしています。
若者へのメッセージ
同僚や上司、ご家族や友人の意見に惑わされずに、「自分が何をやりたいのか」「それに対してしっかりと行動ができているか」ということを改めて考えてみると良いのではないでしょうか。
ある程度の規模の大学や会社に入った人ほど、大きな人生のレールに乗ったことで自分が真に何をしたいのか、何に向かって生きているのかということを考える機会が少ないように思えます。
今の仕事を続けるのか、あるいはチャレンジしたいと思っていることにリスクを負ってチャレンジするのか、人によって色々な考えがあるでしょう。
私は病気をして強く感じましたが、人生というのは一度きりです。そんな当たり前のことに、30年経ってようやく気付くことができました。
それこそ「このあと死を迎える瞬間が来るとしたら、今日までの人生に悔いはないか」という考えがこれを読んだ誰かの心に響いてくれて、何か行動に移せるようになっていただければ、私もこのインタビューを受けた意義があるのかなと思います。