大学院を出て即フリーランスのデータサイエンティストとして仕事を始める。6年の個人事業を経て法人化。データとアルゴリズムを活用したビジネスデザインを行っている。

略歴
現在の仕事についた経緯
学生時代は、専攻そっちのけで統計学とそれが応用可能なテーブルゲームにのめり込む毎日でした。学生としては褒められたものではありませんでしたが、その道ではプロと言えるまでに腕を磨きました。
テーブルゲームだけで豊かに生活できているし新卒入社なんて馬鹿らしい、そう思っていた頃に社会ではAIやビッグデータという言葉が飛び交い、その中心には統計学や機械学習がありました。
そして、もしやプログラミングを習得したらこの流行りに乗れるかも?そう思ったことがデータサイエンティストとしてキャリアを歩むきっかけでした。
周りの環境に恵まれ私は学生から即フリーランスとなり、いまでも生き残ることができているという稀有な道を歩ませてもらっています。道中では、もっと面白い仕事がしたい、もっと認められたいなど様々な欲望や苦悩に見舞われましたがそれを乗り越えてきました。そのサバイバル術や知見、培った人脈などを誰かに還元したいと思ったのが会社設立のきっかけです。
SNSで発信するという選択肢もありましたが、顔を知らない第三者に発信するよりも第二者に直接伝えたほうが自分のモチベーションに繋がると思いました。そこで自分のような志を持つ人を集めた会社を作り、社員に対して支援を行うことにしました。
仕事へのこだわり
私がフリーランスとして肉体的、精神的、社会的な苦悩を味わっている中で、こんな会社に拾われたいな…と弱気になることが度々ありました。その理想的な会社と制度を具現化したものが現在のOUTLIERです。
ウェルビーイングは特に注力しており、「フリーと会社員の良いとこどり」をテーマの取り組みを行っています。大きく2つの要素に分かれます。
まずはフリーランスの良いところを残す取り組みです。実は、フリーの時点で自由度が大きいのでウェルビーイングの項目のほとんどは本人の意思によって達成できてしまいます。よって、フリーの特色であるプロジェクト選択の自由、労働環境の自由は確保しています。ところがフリーランスの大きなデメリットとしては、常に業績悪化・倒産のリスクの不安があること、ブランド不足によって仕事受注が困難なことがあります。
そこで会社員の良いところを取り入れる取り組みです。まずは社員自身の急激な業績悪化時の給与を保障することです。これによって、精神衛生が保たれるだけではなく、よりチャレンジングなキャリア形成を推進することができていると思っています。
次にブランディングです。ここはまだまだ努力中ですが、クライアントワークだけではなく研究開発を行うことで認知度の向上と技術力の周知を行いブランド力の向上を図っています。そうすることで個人では出会えなかった、受注することができなかった仕事と社員をマッチングすることができると思っています。
なお、弊社のウェルビーイングに対する思想や仕組みが社会に広がっていくことは社会貢献に繋がると信じています。これからブラッシュアップを重ねて確たる効果が見えてきた段階で広く社会に周知していきたいと考えています。
そして、「怠惰を求めて勤勉に行き着く」という言葉を常に意識して仕事をしています。ただし、怠ける→楽をするという風に解釈しています。必要以上に努力を美化し、楽をすることを悪と戒めるのではなく、“楽をすること=非生産的な仕事を省略・自動化すること=生まれた余裕で生産的な活動を行えることだと捉えて、楽をする方法を一所懸命に探し続ける”ことで、労働人口が減っていく中でも持続的に新たな生産ができるようになると考えております。
若者へのメッセージ
なんでもいいから没頭すること、そして視点をピボットさせることが重要だと思っています。仕事を始めた経緯でも触れましたが、私は褒められた学生ではありませんでした。さらに自分の将来について大いに悲観していました。
しかし、自分の得意な統計学を対テーブルゲームではなく、対社会に向けたらどんな良いことができるだろうかと考えたときに道が拓けました。
どんなに地味で暗い営みだとしても、なにか社会に役立つエッセンスが含まれていると思います。まずは気にせずのめりこみ、ふとした時に俯瞰して周りを見渡してみると、実はすぐそばにもっと面白い領域が広がっているかもしれません。