Nishizono Kazuya

西薗 一也

株式会社ボディアシスト 取締役 http://www.sports-hiroba.com/

略歴

スポーツひろば 代表 / 株式会社ボディアシスト 取締役 / 一般社団法人子ども運動指導技能協会 理事

日本体育大学卒業後、一般企業の営業職を経て、社内ベンチャーで体育の家庭教師スポーツひろばを立ち上げる。その後、独立して株式会社ボディアシストを設立。発達障害の子どもの為の運動教室を開催し好評を得る。
運動が苦手な子の為の運動教室スポーツひろばを世田谷区にオープンし、現在は横浜教室や放課後デイサービスを東京・大阪に5店舗展開。公立小学校や幼稚園保育園に対して、支援の必要な子の為の運動指導の講演も多数行なっている。

著書に「発達障害の子どもの為の体育の苦手を解決する本」(草思社)、「小学校体育つまづき解消辞典」(明治図書)など。

現在の仕事についた経緯

高校を卒業してすぐ、母校からバスケットボール部の監督のオファーを受けたことが、体育の指導に関わった最初のきっかけです。
体育の教員を目指して大学へ入りましたが、母がすでに他界していた上に、父の介護も重なり、とても教員試験の合格を目指せる状況ではありませんでした。
そこで卒業後は通常の会社に就職し、とあるベンチャー企業の社長との出会いを通じて、「自分の好きなことをしながら利益を得る」という新たな活路を見出し、「体育の家庭教師」というまだまだ発展途上のジャンルで社内ベンチャーを始めることにしました。
集客は上々でしたが、母体である会社の存続が難しくなったことから、現社長と2人で独立、弊社を立ち上げた次第です。
その後、重度の自閉症を抱える発達障害のお子さんとの出会いを通じて、従来の気合と根性で乗り切るような旧時代的な体育指導が全く通用しないことを痛感すると共に、運動機能において問題を抱える発達障害児が多いことを初めて知りました。
そこで都内でも初の発達障害児向け運動教室を開くと、予想以上に好評を博し、ニーズに対応するべく、放課後等デイサービスへも参入し、現在は運動教室も含め、9店舗を運営しています。

仕事へのこだわり

最も大切なのは、お客様に喜んで頂くということです。
そのための方法はさまざまあるかと思いますが、とにかく各々が「この人のためにどうすればいいのか」という意識を常に持ち、考えて結果を出すというところが最も重要なのではないでしょうか。
弊社は経営の経験もない代表と私が2人で思考錯誤しながらここまで拡大してきた会社ですから、行動指針や社員教育など、きちんとマニュアル化されていない部分も多々あります。
だからこそ「お客様が1番喜ぶことをする」というたった1つの思いだけは皆で共有し、共に同じ方向へ向かっていけるように心掛けています。
また、私達はいわば子供達の見本となる存在ですから、皆が「先生のようになりたい」と思ってくれるような、また保護者様が「我が子に先生のようになってほしい」と思って頂けるような行動を取れる人間であるよう、社員達には日頃から伝えています。

今後の目標

世の中には運動好きな人と嫌いな人の二極化が生じていると感じています。そこには日本の従来の体育指導法に原因があると見ていいでしょう。もともと体育は軍隊教育で優秀な兵士を育てるための科目であったため、その名残が今もどこかにあるのだと思います。
子供達に体を動かすことを好きになってもらうには、体育の授業を一新する必要があり、そのためにも、我々スポーツひろばの指導スタイルやメソッドを学校教育に取り入れて頂くことを長期的な目標として掲げています。
すでに教員の方々に当社の指導法を見て頂く機会を設けており「体育の授業が変わった」というお声を頂くなど、まずまずの手ごたえを感じています。
あとはこの普及の波をどのように広げていくかが課題となりますが、そのためにも弊社に必要な人員確保を図ることから注力していきたい所存です。

若者へのメッセージ

僕自身、若い頃はとにかく気合と根性で乗り切るタイプで、勉強はあまり熱心にやってきませんでした。ただそれでも若いうちは、とにかく長時間働けばなんとかなったという部分があったのですが、年齢を追うごとに責任は重くなりますし、家庭を持つとプライベートにも重きを置きたくなります。
そのときに大切なのが、いかに限られた時間で濃縮した仕事をできるかということであり、そのためには、若いうちから自分が成功したときのマインドやルーティンなどをしっかりと言語化して残しておくことです。そうすれば、時間が経って自分が管理職になったときでも、業務効率化のヒントがすぐに得られます。
もちろん若い体力のあるうちにバリバリ働くこともとても素敵だと思いますが、できれば10年、20年先も見据えながらいろいろなことに取り組んでもらいたいと思います。