Obata Takashi

小畑 貴志

株式会社エム・イー 代表取締役社長 http://kkme.co.jp/index.html

現在の仕事についた経緯

弊社は1989年に創業され、私は2011年4月に入社しました。前職では外資系の大手医療機器メーカーにて部長職を務めており、当時から弊社の創業社長より事業承継についてのオファーを受けていたのですが、前向きな返事ができないまま日々は過ぎていきました。
しかし外資系メーカーの特徴である「業績が好調なときはむやみに増員するものの、業績が下向きになれば一気にリストラを始める」というサイクルが5年周期で訪れることにだんだんと嫌気が差し始めました。
そこで、他社メーカーへ移ることも検討していたものの、2代目社長の代になって以降も年に1度は必ず熱心なお声がけをくださっていた弊社のことが思い出され、そしてメーカーよりも、よりお客様に近いポジションで新たなチャレンジをしてみたいという思いから弊社への入社を決断。
2014年に代表取締役社長へ就任したという経緯です。

仕事へのこだわり

医療機器販売を行う企業は全国で約2000社あるとされ、弊社の領域である循環器や心臓血管外科に絞ってもその数は約200社と言われています。
その上で私がこだわっているのは、競合他社となるべく同じことをしないことです。最低限やらなければいけないことは、どんな企業でもそう変わりません。したがって差別化を図るには、プラスアルファーの部分で埋没しない工夫が必要となってきます。そこで「同じことをしない」ということで付加価値を高めるように努めています。
また、一般的な業界ではいわゆる「古株」の経験値が重視されますが、日進月歩の医療業界においてはむしろ、若い世代のIT分野の知見や新しい物事に対する柔軟性が重宝されます。
また、私の個人的な思いとしても、どんどん若い方に医療分野で活躍して頂きたいと考えています。私が代表に就任して以降は若い世代へフォーカスした施策へ舵を切り、多くの時間と費用を投資してきました。
結果的に、弊社の平均年齢は過去46歳でしたが、現在では34~35歳となり、20代~30代の社員が約75%を占める割合となっています。

今後の目標

弊社では、メーカーから仕入れた医療機器を病院へ販売するといういわゆる卸業を行っていますが、専門性が必要な仕事である一方、高額な高度管理医療機器は国の方針もあって、値段が引き下げられている傾向にあります。
「高度な仕事」であっても相応の収入が確保しづらいということは、少なくとも現状のビジネスモデルのままで進んでいくことは非常に危険だということです。
したがって、弊社では長きにわたる病院様とのお付き合いを今後も大切な財産として育みながら、今後の医療分野・技術で大きな革新が起こった際には、いち早くそのパイオニアとして名を上げられるよう、万全の体制を整えておきたいと考えています。
また、まったく新しい人材を採用しての新事業立ち上げも視野に入れています。

若者へのメッセージ

私は証券会社の勤務経験等から「投資」の重要性を認識しており、ひいては福利厚生制度の一環として、つみたてNISAの補助金制度を実施しています。日本人は「手元に資金がないから」と投資を避ける傾向にありますが、やはり若いうちから金銭的な意味だけでなく、先を見据えた上でさまざまなことに自分を投げ打っていく姿勢は重要だと思います。
皆さんもぜひ、10年後や20年後を見据えたキャリア形成を意識して、日々の仕事に取り組んでいってください。そのためには3年~5年程度を一括りにし、そのタームで何らかの仕事を達成したら、また新たなチャレンジへ向かっていくことです。特に地方部では安定志向の高い若者が散見されますが、私は「安定志向こそ危険」だと考えており、常に現状の食い扶持ではなく、未来にフォーカスした経営を行っています。
20年も30年も同じ仕事を惰性で行うようなことはせず、どんどん幅広い仕事を達成して、未来を自分で切り拓いていってください。