弊社は先代社長により、昭和51年に設立された会社です。
私は当時、大手住宅メーカーにて所長として勤務しており、コダマサイエンスとは元請け・下請けの関係性でした。
しかし、当時独身であった先代社長と、未亡人であった私の妻の母がひょんな縁から一緒になり、私と先代社長との付き合いはより深いものになっていきました。
私は変わらず住宅メーカーに勤めながら、コダマサイエンスの自社営業を一切しない職人気質な社風や事業承継問題に触れては、会社の先行きはどうなるものかと気に掛けていたのですが、やはりこのままメーカー勤めを続けるよりは、弊社で指揮を取った方が面白いのではないかと思い、平成6年にコダマサイエンスへ参画、平成7年に代表取締役に就任した次第です。

現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
弊社の顧客である個人のお客様は、満足度で会社の評価がずいぶんと変わります。
では満足度とは何かといえば、支払った費用に見合ったサービスを受けられたかどうかという納得感だと思うのです。
その上では、我々の仕事は床下を始めとする人の目の届かないところでの作業となるため、実際の作業はもとより、お客様に納得して頂くための説明も重視しています。
弊社はもともと職人集団で、自分目線で物事の良し悪しを判断してしまうような傾向がありましたが、私は「それはお客様が決めることだから、お客様目線で常に考えてほしい」と訴えてきました。
それが、私が社長に就任してから行った最初の改革であり、今も発信し続けているメッセージでもあります。
今後の目標
私は会社の社会的責任は、雇用と納税の2点に尽きると考えています。より多くの人を雇って、しっかりと給料を払う、それ以上に役立つ社会・地域貢献があるでしょうか。
島根県も少子高齢化でどんどん人口が減り、加えて若者が地元に定着しないため、働き手不足の問題は後を絶ちません。そこには、若者が「いい」と思える会社が少ないということも一因としてあるでしょう。その課題を解決し、いかに雇用を図れるかは、弊社のみならず地域の中小企業全体のテーマです。
弊社でいえば、事業承継、新たな幹部育成といった課題の他、本業であるシロアリ駆除・防除のマーケットが縮小傾向にあることを視野に入れて今後取り組んでいかなくてはなりません。
今後は新たな事業の柱をもう1~2本立てるべく、新規事業の展開を検討しながら、4~5年前から始めた断熱リフォームの事業を伸ばしていくことに注力していきたいと思います。
若者へのメッセージ
もともと社長になろうという考えがあったわけでもない私が、今の立場にあるのもすべて、節目の出会いがあったからだと考えています。
皆さんもぜひ、1つ1つの出会いを大切にし、深く人と付き合うことを意識してみてください。
しかし10人も出会えばどうしても、1人2人は付き合ってマイナスになる人がいます。すると、リスクを避けたいがためにガードしてしまうのが人間ですが、私はそれはしない方がいいと思うのです。
1人、2人のリスクは、自分にプラスを与えてくれる7、8人に出会うための必要経費と捉えて、チャンスに繋げる可能性をぜひ閉じないようにしてください。
それから、会社に入るということは、組織の中の1つの歯車になるということです。
ただ、人生で大切なのは、自分であり続けることだと私は思います。だから「どう思う?」と聞かれたときに、自分の意見を言えるように、日頃から本を読んだり新聞を読んだりしながら、自分の見解というものをしっかり磨いておいてください。
自分の意見を主張すれば、ときには人と衝突することもありますが、そのときに違いを認めながら理解していくことが、人と人との本当の付き合いではないでしょうか。
自分の生きる意味、自分であり続けることを決してやめずに、他人をも受け入れられる。そんな若者が増えていけば、この社会はよりよいものになっていくだろうと思います。