早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
アクセンチュア株式会社 製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント株式会社を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。
著書に『最高の組織』『ビジネスエリート必読の名著15』(ともに自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)、『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。
略歴
現在の仕事についた経緯
前職のコンサルタント会社で多忙に業務をこなしながら、話題のビジネス書を全てカバーするように上司に指示されていました。さらにプロジェクトが忙しくなったとき、書店に足を運び、本を選んで情報をインプットすることに限界を感じ、「スキマ時間に本の概要がわかるようなサービスが欲しい」と思い立ちました。
その後、本好きの同僚と話している際に話題に上がったのが、「10分程度で本の概要がわかって、それもスマホでどこでもアクセスできる」まさにflierのようなサービス。そこからたった2ヶ月で起業しました。
仕事へのこだわり
仕事をする際には、自分が最も力が発揮できるところに時間を割くことにしています。私の場合は、力が発揮できることは高いエネルギーで仕事ができる領域とほぼ同じです。
私自身が頑張れる仕事には3つの基準があります。知的好奇心が満たされること、チームの一体感が味わえること、社会的な意義のあること、の3つです。
フライヤーを創業して以来、多くの本を要約の形で紹介する仕事をしております。本は最も信頼できるメディアの一つだと考えていて、様々な本を理解していくこと自体も知的好奇心が満たされます。また、会社の段階によって、日々課題や施策が変化していき、常に新しい状況に対処することも自分にとっては知的に面白いものです。
チームの一体感は、おそらく自分が野球というチーム競技をしていたことや、3人兄弟だったことから、多くの人に囲まれている状態が心地よいのかもしれません。お客様がいる仕事の場合は、自社だけでなくお客様とも一体になれるように意識して取り組んでいます。
社会的な意義は私自身のこだわりです。自分が携わった仕事を通じて、少しでも関わった人の助けになったり、社会が良くなっていると信じられることに、時間が使えたとしたら、自分の人生にも意味があったと思えます。私はフライヤーによって、素晴らしい本が、届くべき人に効果的に届く仕組みを提供できれば、社会の役に立つと確信しています。
今、私たちの会社は社内外の多くの人に支えられて、運営することができています。そのような環境に感謝をして、これからも自分のするべきことに集中していこうと考えています。
若者へのメッセージ
人生は頑張らないといけないものでもないし、何かを成し遂げないといけないものでもないと思います。ただ、自分の心に向き合って、最もしたいことを大切にしていただきたいです。そして、できることなら仕事を通じて楽しみを見出せれば、一日のうちの8時間にも意味を持たせられます。
仕事で何に取り組むかを考えるときに稲垣栄洋さんの著書『雑草はなぜそこに生えているのか』は、参考になるのでお勧めしたいです。生物は少し環境をずらして、ナンバー1になれるニッチを探すのだといいます。たとえ、好きで得意な仕事が今見つからなくても、好きで苦手なことを少しずらすと得意になり、得意で嫌いなことを少しずらすと好きになるといいます。
ナンバー1になることは必ずしも重要ではありませんが、好きで得意なことに時間を使うことは幸福だと思います。環境ややり方を少しずらすことで、いい仕事になる可能性が上がることを願っています。