Okamoto Mitsutoshi

岡本 光利

岡本光利一級建築士事務所 代表 https://www.okamoto32.com/

略歴

1987年 日本工業大学建築学科卒業
1987~1995年 東京にて住宅・共同住宅・店舗・ビルの設計監理業務に携わる
1998年1月 岡本光利一級建築士事務所開設

【実績】
2007年「SEE SEA HOUSE(海がみえる家)」が電化住宅コンテスト佳作入賞
2015年「LIGHT COURT HOUSE」が2015年度グッドデザイン賞受賞
2015年 電化住宅コンテスト審査員特別賞受賞、サンワカンパニー施工例コンテスト入賞

現在の仕事についた経緯

子どもの頃から自分で何か考えてものをつくることが好きでした。学校の勉強や宿題は嫌いで、あまりしていませんでしたが、図画工作の授業や夏休みの宿題は大好きでした。
人と同じようなものをつくるのがいやで、納得いくものをつくりたいという気持ちが強く、人を驚かせたり、楽しませたり、びっくさせたりすることが好きな子でした。改めて振り返ればそこが原点なのかもしれません。
父が建築関係の仕事をしていたこともあり、「建物を建てる」ということを身近に感じる環境で育ち、建築の学校で専門的に学びました。建築業界に長く携わり、何もないところからお客様のご要望をお聞きして、喜んで頂ける空間や建物をつくりあげる建築家という仕事に魅力を感じ、現職に至ります。

仕事へのこだわり

お客様のご要望をよく聞き取り、ご要望以上の付加価値をプラスして、そこでの暮らしをより豊かにする空間づくり、また「素材の持ち味を生かしたシンプルで機能的、そしてあきのこない空間づくりを心掛けています。

住まいは、ただ暮らすだけの場ではなく、楽しく、元気が出るような、人や社会が豊かになる器であると考えています。建物だけでなく外構エクステリア、植栽、家具、インテリア、カーテン、雑貨に至るまで、住まう人の生活スタイルすべてをバランスよくトータルコーディネートし、その家族らしいオンリーワンの住空間となるようお手伝いさせて頂いております。
そのために、お客様との対話、コミュニケーションを大切にし、互いの思いや価値観を共有し、確かなご要望を組み入れ、ライフスタイルや趣味、人生観、住環境など詳細に伺い共感しながら、対話から浮かび上がるキーワードをもとに、遊び心を加え空間をイメージしてつくりあげていきます。

各場所の機能性とデザイン、何を優先してつくるか、ひとつひとつ優先順位を決めながら細部においても拘って丁寧につくりあげていきます。「いいものはいい」と伝え続けていくこと。単純に「いいな」という感覚。それを大事にしたいと思っております。なんとなく自然にそうなったとか、あまり手を加えない自然そのものの素材感をいいと思えるような、人が本来持っている自然な感覚、直感、五感を大事にしながらあらゆる面で自然体でいられたらと日々、思っています。

街を歩いている時に、単純に楽しい街並みを見て、「これ、何?」「ちょっとかわいいね」「かっこいいな」等と、お店の人や道行く人と自然と会話が弾んだりする。それと同じように、コミュニケーションが生まれるようなワクワクする建物づくり、空間づくりができたらと思っています。
「あの形いいよな」「おもしろいよな」と素直に感じさせてくれるものは、そこでコミュニケーションが生まれます。おもしろかったり、楽しかったりすることは、誰かに伝えたくなりますよね。チラッと見たり、チラッと言いたくなったり(笑)。
そういう感覚的なもの、言葉がなくても素直に感じとれるものがつくりたいです。そういった要因が人や社会を元気にしてくれ、豊かな感性が生まれ、豊かな社会が築けると思っています。

若者へのメッセージ

現代社会において安全性、耐久性、耐震性、断熱性、省エネの優れた建物が重要視される傾向にありますが、いくら優れた耐久性、性能の高い建物でも次世代のライフスタイルに合わない間取り、デザイン等の味気ない建物ですと簡単に壊され、資源の無駄使い、地球温暖化、環境破壊にもつながります。便利、効率的、自動化、ロボット化、IT化が重要視され、人ではなくて機械、設備、ロボットに頼る世の中になりつつあります。
不便を楽しむ、無駄、余白を楽しむ、人や自然、動物からしか生み出せない、その人、その素材、その環境、建物、空間等の個性を大事に、本当にいいものは無くさずに守り、次世代へ続け伝えて、いつの時代も色あせないものづくりを心掛けて頂きたいです。
そんな環境から生まれたものは豊かな空間をつくり、豊かな人、豊かな社会を生み出します。頭の中だけで考えないで、何事もチャレンジ、行動して、一歩踏み込む勇気を持ち、新たな道、世界をノックし切り開いてほしいと思います。
ひとつの業界を極めることも大事ですが、様々な業界の人と出会い、交流して、様々な視点、角度から分析し、規制概念に捕らわれず柔軟で豊かな発想や感性で今までにない魅力あるもの、おもしろいものをつくりだしてほしいと思います。