Okazaki Michio

岡崎 倫夫

S.I Lab 代表社員 https://si-lab.work/

略歴

1989年、大手外資系製薬会社に入社。大学病院を中心にMRとして担当。マーケティング部門にてイベントマネージメント、戦略部門にて糖尿病専門医専任担当、フィールド・トレーナーおよびデジタルアプリケーション開発のPMに従事。
2020年、ヘルスケア業界特化型コンサルティング会社入社。製薬特化型のコンサルタントとして、エリア戦略プランニング、公開データを用いた分析手法、年間研修設計、コンテンツ開発、セミナーの開催などを提供。
2021年、戦略アナリスト/コンサルタントとして独立。シェア理論に基づくマクロ分析ツールを開発し受発注データを用いた市場分析と戦略の立案、厚生労働省の公開データを用いた人口動態推計、診療行為、使用薬剤などの市場分析を得意とする。

現在の仕事についた経緯

特殊な医薬品ビジネスに即した客観性と再現性に優れる戦略プランニングの手法を独自に再構築し、ワクワクを提供したいと思い独立を決めました。
これまで多くのマーケティング関連のセミナーに参加し、またビジネススクールに通いマーケティングを学びましたが、そのたびに釈然としない気持ちになりました。なぜなら正解がないからです。
マーケティングプランはワークショップに参加したグループの数だけ出来上がり、そして講師はいつも「どれも正解」であり間違ったプランはないのだと言います。
正解のない問いに対して答えを出す方法を学ぶのではなく、唯一解はなくとも最適解、あるいは正解に近づく技術を教える必要があると私は思います。

仕事へのこだわり

私が定量化と数学的アプローチにこだわる理由は客観性と再現性にあります。
私が提唱するマトリクス分析は定量データと数式を基にした理論とプロセスであり、同じデータを使えば誰が何回分析を行っても同じ結果が表示されます。ポジションパワーや経験、社歴や声の大きさに関係なく、誰もが同じ物差し、同じ言語で語り合うことが出来ます。同じ言語を持てばお互いに理解し協力し合う強い組織を構築することも出来るはずです。定性的なデータや情報はエピソードであってもエビデンスとはなり得ないことがあります。
特に営業担当者とは、善悪はともかく属人的な存在であり、自身の経験値や感覚で語る場面が多くなるため客観性に欠け、共通の認識を持ちにくい傾向にあります。私が製薬業界に飛び込んだ頃の営業担当者は、MRではなくプロパーと呼ばれ、顧客との関係構築を通じて売上を高めることが仕事の主でした。
しかし30年以上の月日が流れ、営業担当者であってもデータの活用が求められる時代となり、パソコンやモバイルを開けばダッシュボードには処理しきれない程の大量のデータが並びます。多くのデータの中で営業担当者が最も注目するのは売上データでしょう。であればその売上データを使い切ることで効率よく競合に勝てる方法はないかと考えたのがマトリクス分析です。目指すのは美しいまでの整合性です。

若者へのメッセージ

戦後の高度成長期から、現在は成熟期から衰退期へと移行しています。つまりこれからは誰も経験をしたことのない時代となり、これまでの経験則や感覚に頼った従来型の判断や意思決定が通用しなくなります。
このような環境の変化により、将来の予測が困難な状態を「VUCA」と言います。将来の予測が困難な時代というとネガティブなイメージを持つかもしれませんが、誰にも予測ができないということは新しいチャンスや可能性がそこに存在するとも言えます。
予測不可能な時代だからこそ、ゲームチェンジャーが登場し新たなサービスや市場が生まれるチャンスも秘めています。ゲームチェンジャーとは、これまでの常識が覆されるような従来とは全く異なる視点や価値観をもって市場に大変革を起こすような企業や製品・サービスのことです。
時代を見通す「戦略」を持つことで既存の市場ルールを無効化し、一気に業界トップに躍り出る可能性を秘めています。目まぐるしい程の環境変化に対して大人よりも共感度が高い若い世代がゲームチェンジャーとなり混迷の時代を切り開くカギを持っているのです。
過去の人々による世の中に蔓延するネガティブな将来予測は打ち破られると信じています。