Saito Naoto

齊藤 直人

ピーロート・ジャパン株式会社 代表取締役社長 https://pieroth.co.jp/

略歴

日本興業銀行、ボストンコンサルティンググループ、日本マクドナルド、アミューズ、メルコリゾーツ&エンターテインメントでの勤務を経て、現在に至る。

現在の仕事についた経緯

快適で、今も尊敬できる同僚に恵まれた銀行から、30代前半に、事業会社を志向してコンサルティングファームへ。そこで、個人のお客様に奉仕するB2C事業こそがやりたかったことだと気づき、その後は、一貫して「商材やサービスを愛せる仕事」「人を笑顔にする仕事」をしています。
直前に取り組んでいた横浜の統合型リゾートが、市長選と共に突然終戦になったあと、以前勤めた会社の後輩がピーロート社の株主で「ちょうどお好きそうな仕事がありますよ」とお誘い頂きました。
ワインは個人的にも大好きで、人を笑顔にする商材として、長年の仕事のテーマと合致するものでした。話を伺う中で、会社のサービスのあり方が、長い歴史の中で少しくたびれているように見え、日本一を目指す上で伸び代がとても大きいと感じて、入社を決めました。

仕事へのこだわり

仕事には、必ずお客様がいて同僚がいます。お客様にお金を払って頂いて初めて、会社は成り立ちます。また、同僚がお互い信頼関係にあり、よいチームがあって初めて、快適な職場生活が送れます。
その際、「利己」ではなく「利他」の心がなければ商売はできないし、気持ちのいい仕事もできません。安きに流れる自分よがりをどう変えられるかです。
また、算数のテストと違って、仕事には「絶対解」はありません。人が同じ方向を向いて、共に進みたいと思える「納得解」をいかに早く見つけられるかが重要です。
30代の時に、1日15時間働いた2年間がありました。それをしたことで、スイッチオフして充電をしないとフルパワーは出ないし、仕事でアウトプットするためにはインプット(本を読む、必要な勉強をする、社外の人と会う)を続けないと、鮮度と質の高いアウトプットは出せないと気づきました。そして、「働き方改革」という言葉がない時代に、一人働き方改革に取り組みました。
仕事量は「時間×密度」。密度を最大化し、人生も楽しむための一大方向転換です。自分の生産性が最も高く、人もいないしメールも来ない早朝を使うこと。生産性も気力も低下する夜は、人の仕事にできるだけ付き合わないこと。自分のための時間を一日3時間は確保すること。帰ると決めたら帰る、休むと決めたら休む。毎年100冊は本を読む。疲れて帰っても英語を毎日聞く。ゴルフはカートに乗らずに歩く。結構めんどくさい人ですね(笑)。
どれも、決まりではないし、誰も管理もしてくれません。ですが、充実感を感じながら日々仕事をしたいし、人生も楽しみたい。元気と笑顔を発信する源泉となる「自分にとって良い習慣」をこれからも進化させたいですね。

若者へのメッセージ

若いころ、日本はイケイケで、誰もが「明日は今日より、来年は今年よりよくなる」と思っていました。「学校を出たら勉強はおしまい」と本気で思っていました(笑)。
それを考えると、すっかり違う時代になりました。社会は生き物のように日々変化し、その変化を理解し吸収し、日々道を敷き直すことができなければ、波に飲まれる受動的な人生を送ることになります。
「利他」が働く基本ではありますが、人生は自分にとってのオンリーワンです。生きていて「非日常の体験」以外は記憶に残りません。その体験の数は、待っている人と自ら掴みに行く人で、時が経つと大きな差になります。チャレンジすれば、辛い体験や嫌なことにも遭遇しますが、大丈夫。人間は都合の悪いことは忘れるようにできてます。
人間は「人の間」と書きます。人と人との関係あって初めて人間になるということです。喜びも感動も(怒りも悲しみも…)全ては「人の間」から生じます。努力を重ねれば、努力を重ねた人たちとのネットワークが広がります。
人の役に立つためにも、自分が充実感を感じるためにも「永遠に完成しない自分」をどう磨くかは自分次第です。ぜひ、新発見と素敵な出会いにあふれる毎日を過ごしてください。