Sakai Naoki

堺 直樹

日本ヒルティ株式会社 代表取締役社長 http://www.hilti.co.jp/

略歴

大学卒業後、エンジニアリング会社に入社。その後、コンサルティングファームに入社。2年目でデロイトコンサルティング、エネルギー事業のマネジャーを任される。そして、外資系消費財メーカーに入社後、ブランドマネージャーとして専門的なマーケティングを学ぶ。2011年10月より日本ヒルティ入社。マーケティング部門の製品統括部長、戦略・トレードマーケティング部門の責任者、マーケティング部門の責任者、営業本部長を経て、代表取締役社長に就任。現在に至る。

現在の仕事についた経緯

ビジネスマンとして影響力のある人間になりたく、自分の成長に軸を置いて、柔軟にスピード感を持ってキャリアを積んできました。
アグレッシブルな若者が集まるデロイトコンサルティングでは、人に対してケアリングするような視点で接することで、お客様やチームメンバーと良い関係を築くことができ、マチュリティ(成熟度)を認められ、マネージャー職を任されました。
人をまとめる環境や様々なキャリアを経験する中で、仕事を通して世の中に貢献していきたいと強く思い、イノベーションの塊のようなソリューションを持ちながら、日本でのビジネスシェアに伸び悩んでいたヒルティに出会いました。建設市場の施工の生産性の向上、安全品質の管理を高いレベルで実現できる会社であり、大きなチェンジマネージメントとビジネス成長の可能性を感じ、世の中に貢献できると確信しヒルティに入社をしました。
日本は世界で一番と言っていいほどクオリティを突き詰める国です。安全という視点で考えてみれば良いところでもありますが、その分コストや時間がかかってしまいます。
ヒルティのデジタル、イノベーションを通じて少しずつ業界を変えていく、安全品質管理を極めていきながら生産性を高める、両軸を持ってチェンジマネジメントを行いたいと考えています。

仕事へのこだわり

言われたことをただこなすのでなく、何をすべきかを考えながら主体性をもって仕事に取り組んできました。他人事ではなく、主体性をもって取り組むことが大切だと感じます。会社の悪いところに目をつけるのではなく、プラスなところをどうやって活かせるかという視点を持っていました。
またマネージャーという役職は、その人がどのように生きてきて、どのように人と接してきたかが表面に出ます。未熟な人間がマネージャーになると、どうしても態度が相手に伝わってしまいます。
ポジションはあくまで役割であって、自分が相手よりも人間的に優れているというわけではありません。会社で仕事をするということの本質は、一人ではできない事をチームで成し遂げることです。他者とのコラボレーションを常に意識して仕事に取り組むようにしてきました。そして、年齢や役職で人を判断するのではなく、ポジションに捉われず、平等に人に接することを心がけています。
仕事を通して、どのように社会に役立つことができるのかを大きなテーマとしてやってきたことが、営業や経営の仕事をするうえで大きな力となりました。
すべての会社は何らかの価値を世の中に提供することで存続しています。
ヒルティは特に価値の大きさは、相当なレベルの価値提案ができている自負があります。
ヒルティで働くということは、高いレベルのイノベーションを届けることができます。

若者へのメッセージ

若い人に関わらずですが、主体性があった方が仕事が楽しくなります。
「自分はどうしたいのか?」という問いを常に自分に持ち続けることで、仕事に対する熱意や想いが変わってきます。
一方、主体性がなく他人事のような気持ちで仕事をしていると、会社と自分の間に対立軸を置いてしまいます。会社で起こる出来事が他人事になり、単なる批判家になってしまいます。また、客観的に会社を見るような視点を持つと、会社の悪いところばかりに目が向いてしまうでしょう。会社に対して不満ができてしまったり、次の会社でも不満が生まれ、同じことを繰り返し自分探しの旅に出てしまいます。つまり、何も身につけないままキャリア人生だけが過ぎてしまいます。
会社は完璧ではありません。だからこそ、主体性を持って取り組むことで、自分も会社にとって価値ある人間になりますし、成長することができます。
全ての会社は何らかの価値を世の中に提供しています。主体性を持って取り組むことで、自分ごとで捉え、モチベーションを高く成長することができ、世の中に貢献することができます。
ヒルティの社員満足度は、日本にある会社のトップ25%の上位に位置しています。つまり、主体性を持って仕事に取り組むことは、自分自身の幸せ、満足度につながるということです。
是非、若い人たちは会社のことは全て「自分事」であるという主体性をもって仕事に取り組んでいただければと思います。