Sakai Taishi

酒井 大志

インナーオリジンジャパン株式会社 代表取締役社長 https://inneroriginjapan.com/

略歴

愛媛大学理学部卒業。新卒で某大手外食企業に入社。有機農業を国内にて3年、海外にて4年運営。帰国後、インナーオリジンジャパン株式会社を立ち上げる。現在は、インナーオリジンジャパン株式会社の代表取締役社長に就任。日本国内に安心安全なオーガニック商品を広めるべく奮闘中。

現在の仕事についた経緯

学生時代は生物学が好きで、地球の環境や生態系に興味を持っていました。そこで、新卒では環境負荷のない有機農業を学ぼうという想いで、最初の会社に入社しました。そこでは、1次産業で野菜の生産に携わる中で、2次産業、3次産業と連携することがとても重要だと感じました。
カンボジアでは、レモングラスを育て、エッセンシャルオイルを蒸留し、それを用いた石鹸を製造し、販売していたこともありました。帰国後の2021年にインナーオリジンでオーストラリアのオーガニックの商品を丹精込めて作っているサプライヤーの方々に出会い、日本のお客様にこの素晴らしい商品を広めたいという情熱が湧いてきました。
そして、2021年2月に日本の現地法人としてインナーオリジンジャパン株式会社を起業し、今に至ります。

仕事へのこだわり

本当に単純なことですが、どんなに辛いときや嫌なときでも笑顔で人に接しようと心がけていました。
新卒で入社後は外食店舗に配属し、皿洗いからスタートしました。外食店舗のキッチンで料理をした経験もなかったので、古株のアルバイトさんには邪魔者扱いされ、悔しい日々を過ごしました。
しかし、どんな時も笑顔で元気よく挨拶することを心がけていました。私には、特に秀でた才能やスキルもなかったのでこうすることが自分の生きる道だと感じていたのかもしれません。
その信念を持ったまま、店舗の責任者になり、40名以上のアルバイトをマネージメントすると、ほとんどのアルバイトと本音で話すことができ、チームで働くことがとても楽しくなりました。そこで、本当の仕事の楽しさを感じることができた気がします。

また、もう一つ大切にしていることは、「一緒に働く方の目線に合わせる」という事です。
これは、私がカンボジアでプロジェクトに携わっている時に、上司に言われたことでもあります。カンボジアの方々は1970年代のポルポト政権により国民の教育に関して甚大な被害を受け、小学校に行かずに育った大人の方も多くいらっしゃいます。文字が読み書きできない事に加え、時計の針の読み方さえわからない方もいます。
その方たちと働いていると、言語の問題、習慣、文化の違いから、多くのフラストレーションが溜まり、カンボジア人が嫌いになってしまったこともあります。そして、私がこのことで悩んでいる時に、「一度、カンボジア人と同じ目線になって、考えてみたらどうだ?」と上司に言われました。
階段で例えるならば、プライドを捨て、自分がいる段数から、彼らがいる段数まで一度、思いっきり下がってみるという事です。私は、彼らのヤシの葉でできた自宅にお邪魔してお酒を共にし語ったり、通訳抜きで片言でゆっくり時間をとって彼らと直接話してみたりしました。
そうすることによって、私とカンボジア人との間に合った大きな壁が崩れる感じがして、彼らと相互理解ができ、プロジェクトを今までよりスムーズに進められるようになりました。

若者へのメッセージ

私もまだまだ未熟ではございますが、私が皆様にお伝えできることがあるとすれば、皆さんが「やってみたいと思いついたことは何事もまずやってみる事」が大切だということです。
実際に行動に移すと、現実と理想のギャップが明らかになり、やるべきことが明確になります。ただ、それは自身にとって大きな壁であったり、膨大な量であったり、気後れすることもあると思います。
そこで、多くの人の助けを借りることがとても大切だと感じています。そのために、日々、素直で謙虚な気持ちで多くの方に接し、自分ではできないことは、「助けてください。」「手伝ってくれませんか?」と恥ずかしからず、遠慮せずに伝えることがとても大切です。
仕事においても、人生においても新たなことに挑戦することは、「失敗したらどうしよう」「周りの人はどう思うだろうか?」など多くの不安がよぎることと思います。
しかし、そんなことは気にしても意味がありません。あなたの挑戦は、たとえ結果が良くても悪くても、多くの事を学べますし、あなた自身が色んな意味で次のステージに進めるはずです。
若い皆様には可能性しかありません。これからの人生、あなたが主人公ですので、固定概念に囚われず自由に生きてください。これからの皆様のご活躍に心より期待しております。