Sakai Takahiro

酒井 貴弘

アイ・エス・フーズ徳島株式会社 代表取締役 https://isfoods.jp/

現在の仕事についた経緯

父が農業の会社を立ち上げることとなり、私が20歳の頃に一緒にやらないかと声を掛けてもらったことが弊社に参加したきっかけです。
現在、グループの本社は淡路島にあり、私は24歳からこの徳島の会社を経営しています。
もともと家が農業を営んでいたこともあり、農業に身近な環境で育ってきましたが、昔は正直なところ「農業=高齢者がする仕事、カッコ悪い仕事」という思い込みが強くありました。
しかし農業ビジネスに携わるようになってからは、私達が作った作物を、名だたる大手企業様に納品させて頂く機会なども多く、人にとって不可欠な「食」という分野を根底から支えているという実感によって、農業の貢献度の大きさを改めて認識し、魅了されるようになりました。
かつて自分自身が農業に対して抱いていた拒否感のようなものが、農業を変えたいという信念に切り替わったことが、私のターニングポイントであったと思います。

仕事へのこだわり

農業は、従事者の高齢化や、「耕作放棄地」と呼ばれる使われなくなった農地の放置問題、近年の気功変動の影響による農業経営の不安定性、世界的な食糧危機など、多くの課題を抱えている業界です。
にもかかわらず、農業者や農業経営を行う企業はまだまだ弱い立場に立たされていることも実感としてあります。
私としては、この産業に少しでも変革をもたらし、儲かる産業にすること、ひいては若い人材や優秀な人材が自ら参画してくれるような魅力ある産業にすることを最終的なゴールとし、常にその目標を見据えながら今やるべきことに取り組んでいます。
利益率を上げる上では、現在注目されているAIやIoT技術も有用とは考えていますが、使える地域と使えない地域、使える作物と使えない作物の隔たりがまだまだ大きいのが現状です。
このような状況でいかに効率性を上げていくかが課題となりますが、私達だけでできることには限りがあります。
会社全体で1つの同じ目標へ向けて邁進していくことはもちろん、農業に関わる問題を解決したいという思いを共にできる同志を積極的に集め、農業業界の問題解決および活性化に向かいたい所存です。

今後の目標

中期の目標としては、会社の上場を掲げています。
農業生産法人として上場を目指すことが、非常に困難を極めることは承知していますが、その壁を打破することで、社会の農業に対する見方が大きく変わることは間違いありません。
特に世界的な食料危機が起きている今、農業は世界全体から考えても見直されるべき重要なタイミングにあります。
この好機を逃さないよう、まずはIPOに向けてしっかりと人材育成を行いながら組織力の強化に努めたいと思います。

若者へのメッセージ

日頃から社員にもよく伝えていることですが、人生は一度きりです。
皆さんにはぜひ悔いの残らない人生を、死に際に「自分の人生は素晴らしかった」と思えるような人生を送ってほしいなと思います。
そのためには、普段何気なく過ごしてるその1分1秒、1日という時間をいかに有意義に過ごせるか、しっかりと意識を持ち、なるべく無駄な時間を過ごさないようにすることです。
「人生100年時代」と言われる中、社会人である年齢が22歳~65歳までだとしたら、人生のほぼ半分は社会で活躍する時間が占めると言えます。
これだけ多くの時間を、いかに意味のあるものにできるか、その上では自分のためだけではなく、この日本や社会、地域のために一体何ができるのか、自分はどのように貢献できるのか、ぜひ考えながら過ごしていってください。
その中で、たとえ農業に対してではなくとも、社会への問題意識を感じて、何らかのアクションを取りたいと思った方がいれば、ぜひ弊社と手を取り合うことで、共に未来を切り拓いていければと思います。