Shibata Takumi

柴田 卓実

株式会社LONVA 代表取締役兼CEO https://shoplonva.com/

略歴

大学卒業後、株式会社オリエンタルランドに入社。ディズニー事業に携わり、世界観の演出やブランディングについて深く学ぶ。その後、ディズニー事業に関わるフードバイヤー業務にて輸出入やOEM生産など造詣を深めた後、新規事業部に異動し、経営の根幹を学び、独立。レザーブランド事業、デザイン制作事業、ブランド構築事業を行う株式会社LONVAを設立し、現在に至る。

現在の仕事についた経緯

バイヤーとして世界中を飛び回る中で、ガルーシャ(エイ革)に出会ったことがきっかけです。
美しい素材でありながらも加工が難しく、大手メゾンブランドもVIP顧客にしか販売しない超高級素材でありながら、それゆえ知名度が著しく低く、高まる食用需要に対し、革の生産バランスが整っていないことを知り、エイ革ブランド立ち上げの構想を練り始めました。
「単なるレザーブランドではなく、日常におけるONとOFFを切り替えるスイッチャーであり、インスピレーションへの入口を提供すること。」を事業領域として捉え、“LONVAと旅する”をテーマに、いままでにない世界観をもったレザーブランドを提供しています。
ローンチから間もなく、多くの百貨店や大手販売店と取引を開始し、現在はブランディング戦略やデザイン面もご評価いただき、デザイン制作事業やブランド構築事業まで事業の幅を広げることになりました。

仕事へのこだわり

私の座右の銘は「失敗をしたということは、挑戦をしたということ」です。そのため常に挑戦することを心掛けています。失敗は恐れるものではなく、成功過程にある、避けては通れない経験だと捉えています。
だからこそ、どんどんチャレンジし、失敗を重ね、その度に思考しながら、前に進んでいく。これこそが泥臭いかもしれませんが、私が大切にしている仕事へのこだわりです。

たとえば、レザーブランド事業である『LONVA』。こちらの最大の挑戦は、いかにサステナブル(持続可能)な事業をビジネスとして確立するかにフォーカスしています。
サステナブルというと、その素材や商品が評価されているというよりも、応援や地球環境を大切にしたいという想いからビジネスが成り立っています。
本来は商品やサービス自体が単純に評価され、ビジネスが回りだすと結果としてサステナブルに貢献していた。というくらいの方が本当の意味で持続可能性があると私は考えています。
まさにLONVAのビジネスはそれを目指していて、私たちが使用するエイは食品産業から排出されたモノだけを利用しています。そしてその革は、認知度が低く、食の需要に追い付いていない。私はそこに目を付けました。

しかし、私たちが評価されているポイントは単純にブランドの世界観や商品の魅力です。海を感じる素材感に、世界の美しい都市からインスピレーションを受けたガルーシャ(エイ革)ならではの煌びやかなカラーリング。ここにしかないデザイン。
こうしたビジネスとして単純に競合と勝負できる状態にしたうえで、その先にサステナブルが存在している。私は現在も試行錯誤を重ね、トライ&エラーを繰り返しながら、もっと前へ進めるよう仕事に取り組んでいます。

若者へのメッセージ

私自身が若輩者ですので、メッセージという偉そうなことは言えませんので、私が持っているこれからの日本の課題についてご共有できればと思います。

これから先、日本は経済的にかなり厳しい状況になっていくことが予想されます。国力とはそれすなわち「人口×GDP」。抜本的な政治的舵切りをしない限り、人口が増えないことを考えると、どうGDPを上げていくかが民間企業の焦点となります。
そんな中、日本が世界と戦う武器にできる商材は3つ。「観光」「エンターテインメント」そして「ジャパンブランド」この3つだと考えています。
日本各地のまだまだ知られていない魅力。マンガやアニメを含めたエンタメの高付加価値化。そして、日本が誇る工芸のブランディング。
これらを広く世界に伝え、外貨を獲得し、GDPを高める。富裕層の外国人観光客の中には、10億円を日本で使いたいけど、使う場所がないと困っている人がいます。そんな素晴らしいビジネスチャンスをなくなく逃す、日本。
いままさに私もジャパンブランドとして、この課題に取り組んでいる最中です。
ぜひ皆様もこのことを念頭に置いて、一緒に日本の未来を明るくする仲間となっていただければ嬉しいです。