Shibusawa Kazuyo

渋澤 和世

在宅介護エキスパート協会 代表 https://peraichi.com/landing_pages/view/zaitaku-expert

略歴

親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得。長年にわたり仕事・子育て・介護の「トリプルワーク」を経験。その経験や知識を元に、介護情報サービス提供を目的とした「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
新聞やウェブビジネスニュース等メディアでの執筆も多数。介護する者、支援する者、専門家としての3つの顔と行政、企業、家庭の3つの軸から介護問題を解決する唯一無二の存在。
著書「親が倒れたら、まず読む本」(プレジデント社)は、家族の入院・介護に取り掛かる方のバイブル的存在。

現在の仕事についた経緯

私は、現在IT業界で知的財産の仕事をしています。介護業界に携わるきっかけとなったのは、実父母の介護です。書籍や情報サイトを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児と両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感しました。知的財産は、課題に対する解決手段はひとつではないと考えます。この癖が良い影響となりました。
「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想を変え、現代人の介護思考法を独自に研究しました。兼職で、社会福祉士・精神保健福祉士としてこのノウハウを情報配信することで、「高齢者や障害者が快適に暮らせる世の中」を作ることに貢献したいと思い、現在に至ります。

仕事へのこだわり

私の仕事へのこだわりは、強いて言えば、「プロであれ」を心掛けていることかと思います。
職人や美術家、ミュージシャンのような方々は「本人のこだわり」が差別化であり、仕事や作品の価値にあたるのだと思います。サラリーマンは、この解釈が難しくて、自分のこだわりが依頼者の優先したいことと一致していることが大切で、自分のこだわりを優先させすぎると、かえって信用をなくす、変なレッテルをはられる原因ともなりかねません。
日々の仕事は、時間、お金、能力の制限のある中で行われるものと思います。納期を守り、予算内で、質の良い喜ばれるアウトプットを出すためには、自分の能力を高める努力をすることがとても大切だと思います。

私は在宅で親の介護をしていたのですが、最初にホームヘルパー2級で介護の理論と方法を学びました。なぜかこの時これだけで終わらず、社会福祉士、精神保健福祉士という国家資格、介護には相続の問題も切り離せないと思いファイナンシャルプランナー、実家の空き家問題や高齢者の賃貸住宅の問題もあるからと宅建と賃貸不動産経営管理士など、脇を固める形で資格取得に挑戦しました。
介護相談員などのボランティア活動も継続する中で、介護する者、支援する者、専門家として3つの顔を持てたところでやっと自分はプロであるとの自信がつき、在宅介護エキスパート協会を立ち上げました。資格がなくても仕事はできますが、資格をとる過程での勉強は無駄にはならず、肩書があるからこそ、いただける仕事もあります。ただ、資格はスタートとも言われます。法改正などの情報収集、現場の話を積極的に聴く、相談員としての経験を重ねることは今でも意識しています。

若者へのメッセージ

“やりたいことを仕事にしたい、でもやりたいことがわからない”
仕事のやりがいやキャリアチェンジの話なんかをするとき、よく聞く言葉かもしれません。
ただ、これって若者だけが感じているものではなくて、定年で雇用延長を検討する60歳前の人にも当てはまることなのです。永遠の悩みなのかもしれません。
私がある企業で知的財産に関する人材育成に携わっていることはお伝えしましたが、仕事の中心はテキスト作成と講師です。事務局もやるので外部の方との調整もあります。当たり前すぎて気にしていなかったのですが、例えば企画書の作成、パワーポイントで講座資料を作成するノウハウは、今の介護の仕事に大いに役立っています。だって、知的財産が福祉に変わっただけなのですから。

「興味があることは先延ばしせず挑戦する」「現在の仕事も継続すればスキルアップする」今は点かもしれないけど、何かしらかのタイミングで線になることもありえます。この線になるタイミングは偶然ではなくて必然なのだと思います。
最後に、やりたいこと、できること、やるべきことを自分で探すのは大変なときは、他人に聞いてみるのも一案です。強みは人が見つけてくれることもあります。