普段、人が見ていないところで、いかに気配りを意識した行動を習慣にできているかが、仕事へのこだわりですね。
ボクは、お客様の悪口を言っていた同僚や、嫌われていた上司を反面教師として、人があまり見ていないところでの言動こそ気にかけるようにしています。いつどこで誰が聞いているか分からないですから。また、共用のスペースや物を利用した時も、後に続く人のことを考え、ちょっとでも相手の負担を減らし、その人の時間も大切にできるよう心がけています。
見られている時に気を遣うことは誰にでもできますが、大抵の人は「見られていないと思っている時にこそ、見られている」ということに気がついていません。
仕事で使う物を大切にすることも重要です。いかに一目惚れしたものを手にし、長く愛着をもって大切にできるか。毎日見る“一”を大切にできれば、これから見る“十”も大切にできます。
人も同様に、まずは自分から愛を持って接することができれば、相手からも大切にしてもらうことができます。
ボクは日ごろ、相手が「喜ぶこと」をするよりも、「嫌がること」だけはしないように気をつけています。端的に言えば、相手のことを“どう思ってあげられるか”を大切にしています。
例えば食事中に、「このお肉、美味しいよ」と相手に勧めたとします。しかし、相手が宗教上の理由でその肉を食べられない場合、それは思いやりではなく、ただの嫌がらせとなってしまうからです。常識というのは、誰と出会って、どのような環境で育ったかによって異なる価値観ですから、常に相手の考えを尊重しながら共存したいと考えています。
一方で、人を「喜ばせる」という点では、良い意味で相手の期待を裏切る先回りした思いやりやホスピタリティーは大切にしています。例えば、コーヒーを買いに来たお客様に「このあと雨が降るみたいですが、傘はお持ちですか?」という一言です。その一言から、お客様に「またこの人からコーヒーを買いたいな」と思ってもらえたら、それはこの上ない喜びですね。
本来、言葉は、もっと相手を理解したいという思いやりから生まれたツールだと考えています。コールセンターで言えば、“生きた言葉”を届け、“言葉に込められた心”を読んでもらうのが仕事です。
お客様に、声と言葉だけであっても、まるで顔を合わせてお話をしているようにイメージしてもらえる心のこもった接客、これこそがコールセンターの持つ最大の武器です。これらの想いが伝わった時、商品や商材ではなく、“人”で選ばれるようになります。