Takashi Shiki (Castillo)

式 貴史

MIRAXMA –ミライイマ– CEO http://miraxma.com/

略歴

1992年、兵庫県明石市生まれ。

2015年、体育教師を目指して入学した関東の大学を卒業後、自ら得た実体験をもとに「生きた言葉」で世界に発信する4ヵ国語対応のプラットフォーム「MIRAXMA –ミライイマ–」を設立。同年4月、フィリピン空港で出会った一人の男性と東京・新宿を拠点にゲストハウスを立ち上げる。運営開始後、わずか1年で運用数・口コミ満足度ともに上位を獲得し、M&Aへ。

2017年、フィリピンでホームレスの自立支援施策の制定を呼びかけるボランティア活動を行い、多くの海外メディアから取り上げられるとともに多数の企業からオファーが集まる。

2018年1月、国内の自然災害エリアで火災保険コンサル業務及び、リフォーム事業を開始。同年3月、カスタマーサポート兼アウトバウンドのコールセンターを開設。同年5月、ゲストハウス運営の経験から翻訳・通訳サービスを開始。

2022年9月、採用エージェントの社長と出会い、就職困難者および外国人労働者の支援を視野に、“人と人”との架け橋となれる事業プランを立案・実行。

今後もあらゆる情勢の変化に備え、立場の弱い人が出ないよう、バランスのとれた未来を築き上げていく。

現在の仕事についた経緯

ボクは「ビジネスで、“恩返し”」を胸に、自然災害エリアを中心としたリフォームや翻訳・通訳サービス、採用エージェントなどのお仕事に携わっています。
 
きっかけは、学生時代に経験したフィリピン留学です。
 
当時、生活インフラが全く整っていない環境での暮らしは不安に駆られる一方、街の人々の温かさに支えられた生活でもありました。生活にも慣れ始めた頃、フィリピンの賃金の低さを知り、自分にできることはないかと考え、浮かんだのは3つでした。
 
“インフラを整える側に立てないか。”
“安定した仕事を提供することで、雇用創出のきっかけづくりができないか。”
“外国語を覚えられる環境があれば、選択肢をさらに増やせるのではないか。”
 
その想いを胸に活動し、今年で9年目を迎えます。今もフィリピンへの愛は変わらず、今後は世界を股に、もっと関心を集められるようなビジネスを仕掛けていく所存です。

仕事へのこだわり

普段、人が見ていないところで、いかに気配りを意識した行動を習慣にできているかが、仕事へのこだわりですね。
 
ボクは、お客様の悪口を言っていた同僚や、嫌われていた上司を反面教師として、人があまり見ていないところでの言動こそ気にかけるようにしています。いつどこで誰が聞いているか分からないですから。また、共用のスペースや物を利用した時も、後に続く人のことを考え、ちょっとでも相手の負担を減らし、その人の時間も大切にできるよう心がけています。
 
見られている時に気を遣うことは誰にでもできますが、大抵の人は「見られていないと思っている時にこそ、見られている」ということに気がついていません。
 
仕事で使う物を大切にすることも重要です。いかに一目惚れしたものを手にし、長く愛着をもって大切にできるか。毎日見る“一”を大切にできれば、これから見る“十”も大切にできます。

人も同様に、まずは自分から愛を持って接することができれば、相手からも大切にしてもらうことができます。

ボクは日ごろ、相手が「喜ぶこと」をするよりも、「嫌がること」だけはしないように気をつけています。端的に言えば、相手のことを“どう思ってあげられるか”を大切にしています。

例えば食事中に、「このお肉、美味しいよ」と相手に勧めたとします。しかし、相手が宗教上の理由でその肉を食べられない場合、それは思いやりではなく、ただの嫌がらせとなってしまうからです。常識というのは、誰と出会って、どのような環境で育ったかによって異なる価値観ですから、常に相手の考えを尊重しながら共存したいと考えています。

一方で、人を「喜ばせる」という点では、良い意味で相手の期待を裏切る先回りした思いやりやホスピタリティーは大切にしています。例えば、コーヒーを買いに来たお客様に「このあと雨が降るみたいですが、傘はお持ちですか?」という一言です。その一言から、お客様に「またこの人からコーヒーを買いたいな」と思ってもらえたら、それはこの上ない喜びですね。
 
本来、言葉は、もっと相手を理解したいという思いやりから生まれたツールだと考えています。コールセンターで言えば、“生きた言葉”を届け、“言葉に込められた心”を読んでもらうのが仕事です。
 
お客様に、声と言葉だけであっても、まるで顔を合わせてお話をしているようにイメージしてもらえる心のこもった接客、これこそがコールセンターの持つ最大の武器です。これらの想いが伝わった時、商品や商材ではなく、“人”で選ばれるようになります。

若者へのメッセージ

皆さんはこれまでの人生に何を残してきましたか?
ご自身の人生をより豊かにしていくためにも是非、振り返って今後に繋げてみていただきたいです。
 
ボクは25歳を迎えた時、“人生”とは“何を残してきたか”なのではないかと思いました。人との繋がりを大切にしている人は、常に幸福感と与え・与えられる感謝の数で人生を豊かに過ごしていると思います。
 
時が止まるような出会いがあれば、その一瞬に感動する者もいる。家族や友達、上司といる時、旅先で出会った人とでも「もっとこの時間が続けばいいのにな…」と名残惜しさでさえ感じられるようになると、自ずと人との繋がりをもっと大切にできるようになります。
 
ボクには、新型コロナウイルスの影響で、自分の会社の従業員を守れなかった辛い経験があります。辛いという心の痛みは、肌で感じる痛みよりも、苦しいんですよね。自分の手で育ててきた家族のような存在を手放す辛さも、ボクの人生には残っています。

ただ、これから先の再会を期待できる、深い絆と信頼関係だけは残せたんじゃないかと思っています。“他人と家族の違い”は、ほんの僅かな“距離の差”なんだと、その時、改めて実感しました。

今一度、ご自身の周りにあるものに、ただただ感謝してほしいです。そして、そこにどれだけの“ポジティブ”を残してきたかで、これまでの人生の豊かさに気づき、これからの人生を更に、自信を持って過ごすことができるでしょう。

ボクも、経営者であり、時には表現者として、“自信と希望”を与えられるような背中を、子どもたちの記憶に残せる大人を目指していきます。